トップ > 福井 > 11月6日の記事一覧 > 記事

ここから本文

福井

坂井でコウノトリの巣を撤去 ひな4羽育つ

コウノトリの巣の撤去に当たる作業員ら=坂井市春江町上小森で

写真

 県内で五十八年ぶりに野外繁殖した国の特別天然記念物コウノトリのひなが育った坂井市内の巣が五日、撤去された。親の二羽とひな四羽がいずれも帰還する姿が見られなくなったため。営巣開始から見守り続けてきた住民らは、寂しさを感じながらも来シーズンの営巣に期待していた。

 巣があったのは春江町上小森の電柱の上。県によると、巣でコウノトリが確認されたのは、十月十一日にひな一羽が目撃されたのが最後。繁殖期が終わり、巣に戻ることはもうないと県と市が判断した。営巣場所は、地元住民の日常生活を守り、部外者がコウノトリを刺激しないようにと、県と市が公表を控えていた。

 撤去作業は県や市の担当者、北陸電力の作業員ら計十五人が当たった。約十四メートルの電柱の上にある巣に、高所作業車二台を使って作業員が近づき、ブルーシートで受けて巣が落下しないようにした後、巣を解体しながら袋に詰めて下ろした。十月に台風などの悪天候が続いて巣の材料が飛ばされたため、夏頃に比べて巣は小さくなっていたものの総重量は三十一キロあった。解体した巣は病原体が付着している恐れがあることから、市が焼却処分にした。

 作業を見守っていた地元住民たちは「ずっと子育てを見ていたからね。寂しいよ」「来年も来てくれるといいね」などと話しながらコウノトリと過ごした半年間を振り返った。

 コウノトリのふんで汚れた道路などを毎朝清掃するなど、率先して見守り活動を続けた上小森区の前田武雄区長(69)は「ひなすべてが無事に巣立ってくれて本当に良かった」と感慨深げ。鳥の習性から来年も集落内に営巣する可能性があり「住民との話し合いにもよるが前向きに受け入れたい」と話した。

 現場を訪れた川元利夫市教育長は「ひなが無事に巣立てたのは上小森の人たちの献身的な活動のおかげ」と述べ、上小森区に市が感謝状を贈ることを決めたと明かした。

 (藤井雄次)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索