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亡き祖母に届け、強気の投球 敦賀気比・岩田投手

亡くなった祖母・繁子さんのために「強気の投球をしたい」と練習に励む岩田投手=大阪府枚方市で

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 第百一回全国高校野球選手権大会で、十三日に国学院久我山(西東京)と戦う敦賀気比ナイン。その中に亡き祖母への思いを胸に活躍を誓う選手がいる。二年生左腕、岩田優世(ゆうよ)投手だ。誰よりも応援してくれる存在だったが、今年一月に急逝した祖母の繁子さん(享年六十八歳)のために、自分らしい投球をする準備はできている。

 高浜町出身で、実家は若狭湾近くの民宿。小学二年から地元のクラブで野球を始めた。一番の理解者は、実家の目の前に住んでいた繁子さんだった。全国大会に出場すると東京や大阪まで観戦に来て、「優世ならできる」と勇気づけてくれた。

 地元でプレーしたいと敦賀気比に進学。練習漬けのつらい寮生活を支えてくれたのも繁子さんだった。離れていても話せるように、スマートフォンを買ってくれた。慣れないLINE(ライン)にも挑戦し、「ゆうよとはなしたいからがんばつた」とメッセージをくれた。たどたどしい文章ではあったが、「おばあちゃんらしくて、うれしかった」

 昨夏には、左肩をけがした。先輩たちが甲子園でプレーする中、自分は苦しいリハビリに取り組んだ。そんな時も「来年はきっと結果が出る。自分を信じて頑張れ」と励ましてくれた。だから頑張れた。

 そんな繁子さんが、一月に突然倒れて亡くなった。「信じられなかった。一週間前に帰省して会ったばかりだったのに」。驚きで涙も出なかったが、ひつぎに入れた寄せ書きには「甲子園」と書き込んだ。「きっとおばあちゃんは甲子園に行ってほしかったはずだから」と思いを込めた。

 チームは福井大会を勝ち抜き、自身もメンバー入り。甲子園の土を踏めることが決まったその日、消さずにとっておいた繁子さんのLINEに「甲子園でも見守って」と送信した。本当は直接見てほしかったけど、どこからでも見ていてほしいから。

 十三日の国学院久我山戦では、親戚が繁子さんの遺影を持って観戦する。「おばあちゃんは強気のピッチングが大好きだったから、攻めの投球を見せたい」。夢の舞台で躍動する姿を見せたいと思っている。

 (高野正憲、谷出知謙)

 

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