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広がる「オヤカク」 新卒採用、親の心つかめ

コプロ・エンジニアードでは親を招いて内定者懇親会を開催。約160人が出席した=8日、名古屋市で

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 会社について知ってもらおうと、新卒採用の内定者と親を招く懇親会や説明会を実施する企業が増えてきた。昨今の密接な親子関係などを反映し、学生に内定を出す際、親の意思を確認する「オヤカク」が重視されてきているためという。親同伴の内定者懇親会とはどのようなものなのか。会場をのぞいた。

 「しっかり向き合い、育てていくことを約束する」。八日、名古屋市内のホテルの宴会場で開かれた建設エンジニア専門の人材派遣会社「コプロ・エンジニアード」(名古屋市)の新卒内定者懇親会。冒頭で会社説明の動画が流された後、清川甲介社長は集まった内定者とその両親を前にこうあいさつした。

 今回で六回目となる懇親会には、リクルートスーツ姿の内定者七十六人とその父母八十八人が出席した。テーブルには内定者と親、既に決まっている配属先の上司が同席。コース料理が振る舞われ、家族の話題などで会話を弾ませた。

 内定者から親へ「これまで育ててくれてありがとう」と、感謝の言葉を込めた手紙の朗読があるなど結婚披露宴さながらの演出も。最後には内定者全員が壇上に上がり写真撮影が行われ、多くの親もスマートフォンのカメラでわが子の「晴れ姿」を収めた。

 内定者の松村幸起さん(22)と一緒に出席した父親の和弘さん(48)は「懇親会は自分が就職したころにはなかったものだが、来てみて上司になる支店長と話せたことで安心した。息子の力を伸ばしてくれると思う」と期待を込めた。

 スマートフォン向けゲームなどを手掛けるIT企業エイチーム(名古屋市)でも本社で内定者の家族を招き会社説明会を開いている。もともと説明会は社員の家族向けに行っていたものだったが、数年前から内定者にも拡大。広報担当者は「どういう環境で働いているか空気を感じてほしい」と開催の理由を説明する。

◆売り手市場、中小企業が重視

 採用支援会社「ネオキャリア」(東京)の二〇一八年十二月の調査によると、「オヤカク」の取り組みとして「親同席の内定者懇談会」を行っている企業は4・5%。同年二月調査の2・3%から倍増した。また、調査では、親が子どもに対して就職に関するアドバイスを行う頻度についても質問。「週に一回程度以上」と答えた親が約四割に上り、親子のコミュニケーションが密接になっている様子が浮かび上がる。

 同社の平原和人氏は、就職戦線で学生優位な「売り手市場」が続いており、親が有名企業を薦める傾向が強まっていることを指摘。「親世代に名前を知られていない中堅・中小企業は採用の際に親の理解を得ることが重要になっている。新卒採用が難しくなっている企業や(創業間もない)スタートアップ企業が増えており、親に事業内容などを紹介する内定者懇親会は広がるだろう」とみる。

 (木村留美)

 

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