トップ > 一面 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

一面

車掌自ら英語案内放送、在来線でも JR東海

同僚の前で外国人客への英語での対応について練習する鷲見友仁さん(右)=名古屋市中村区のJR東海名古屋運輸区で

写真

 増加する外国人客へのサービス向上を狙い、JR東海は、列車内での車掌の肉声による英語放送に力を入れている。先行実施していた東海道新幹線に続き、在来線でも主要駅を対象に到着や乗り換えの肉声放送を始めた。二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックを控え、同社では勉強会などを通じて英語力の強化に努めていく方針だ。

 「We will soon arrive at Nagoya(間もなく名古屋駅に到着します)−」。同社名古屋地区の在来線の車内で肉声の英語放送を始めたのは、ラグビーワールドカップ(W杯)が開幕した九月。名古屋、金山、豊橋駅と、W杯会場の豊田スタジアムの最寄り駅へ乗り換えができる高蔵寺、岡崎駅の計五駅から始めた。

 十月以降に対象を拡大し、現在は岐阜、多治見、米原駅など東海道線と中央線の主要駅をはじめ、外国人に人気の宿場町が近い長野県の南木曽、奈良井駅などを加えた計二十二駅で実施。放送内容は普通や快速といった列車種別や行き先、乗り換えなどの案内で、列車が遅れた場合はその理由も説明している。

 在来線で肉声の英語放送をすると社内で周知されたのは開始一カ月前の八月。車掌の鷲見(すみ)友仁さん(36)は「車掌の中には英語が得意でない人もいるので、上手にできるか不安という意見もあった」と明かす。

 ただ、同社では外国人利用者の増加を見据え、一六年に社員有志が「英語チーム」を結成。チームメンバーが講師となり、車掌らを対象に勉強会を定期的に開き、外国人客への対応のロールプレー(役割演技)するなどして英語力強化に取り組んできた。「勉強会の成果がベースに合ったので対応できた」(鷲見さん)

 当初はアナウンスの例文のメモを見て読み上げていたケースが多かったというが、現在は暗記して話す車掌も増えているという。

 名古屋地区の車掌・運転士が所属する同社名古屋運輸区の小笠原真一・指導助役(56)は「現状に満足せずにレベルアップを図っていきたい」。今後は勉強会を増やすなどし、課題の一つである発音の向上に努めるほか、肉声による放送だけでなく、車内や駅での声かけなども含めた外国人客への対応力アップを目指す。

◆名鉄、近鉄は自動音声で対応

 車掌の肉声による英語放送は全国では、新幹線や在来線の特急など外国人の利用が多い列車を中心に導入が広がっている。

 JR東海が東海道新幹線で始めたのは昨年十二月。今年三月からは山陽・九州新幹線が続いた。在来線ではJR四国が四月から特急と一部快速で、JR東海は五月から、静岡県内の東海道線で静岡や浜松など主要駅を対象に実施。JR九州が六月から特急でそれぞれ行っている。

 五輪・パラリンピックを控える東京都では、東京メトロが今年二月に開始。担当者は「大会開催時に列車の遅延や運転見合わせなどの異常時も含め、しっかり案内できるように取り組んでいる」と話す。

 東海地方では、名古屋鉄道、近畿日本鉄道、名古屋市営地下鉄は肉声ではなく、英語の自動放送で対応している。

 (榊原智康)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索