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学校弁護士、全国に配置へ いじめや虐待対応、300人方針

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 学校現場でのいじめや虐待に対応するため、文部科学省が「スクールロイヤー」と呼ばれる専門の弁護士を全国に約三百人配置する方針を固めたことが分かった。各地の教育事務所などに拠点を置き、市町村教育委員会からの相談を受ける。来年度からのスタートを目指して準備を進める。経費は年間約四億円を見込み、財源に地方交付税を活用する考え。

 学校現場では、いじめや虐待だけでなく、不登校や保護者とのトラブルなど、法的なアドバイスが有効な場面が多い。弁護士が早い段階から関わり、訴訟など状況が深刻化する前の解決を目指す。また、教員の長時間勤務が深刻な問題となる中、専門的な知見を取り入れて現場の負担軽減にもつなげる。

 文科省は二〇一七年度からスクールロイヤー活用に関する調査研究を開始。今年三月、全国の教育委員会にアンケートしたところ、76%が「法的な専門知識を有する者が必要」と回答した。

 ただ、外部の顧問弁護士に相談する場合、事前予約が必要だったり、教育現場に精通しておらず、適切な助言が得られなかったりすることがある。市町村教委からは、各都道府県教委が雇用するなど、組織内に弁護士を置き、相談しやすい態勢づくりを求める声が上がっていた。

 文科省は子どもの福祉や不当要求などに詳しい多様な人材を確保できるよう、弁護士会との連携にも取り組む。

 全国の自治体では、先行してスクールロイヤーを活用する例が増えている。千葉県野田市では今年一月、虐待を受けていた女児が亡くなった。「お父さんにぼう力を受けています」と訴えた学校アンケートの回答コピーを、市教委が父親に渡していたことが発覚。再発防止策として今年八月以降、校長から電話で随時相談を受ける弁護士四人と、市教委に弁護士一人を置いている。

◆現場のニーズ理解して

 <現役の高校教員でスクールロイヤーとしても活動する神内聡弁護士の話> 全国への配置を歓迎したい。ただ、スクールロイヤーと名乗る以上、教育現場を理解し、教職員のニーズを理解した活動が求められる。通常の弁護士業務の片手間に、校長や教育委員会から連絡があれば相談を受けるというのでは不十分だ。組織内弁護士として週何日かは実際に学校や教委に赴き、実効的な解決に取り組むことができる人材が担うべきだ。文部科学省は先行して導入した自治体で、ロイヤーがどのように活動しているか、実態を検証して、導入を進めてほしい。

 

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