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「ワンチーム」花開く 日本代表、多様なルーツ補い合い

ラグビーW杯開幕のロシア戦で、ボールを持ち突進する堀江ら日本代表。左端はリーチ主将=20日、東京・味の素スタジアムで(小嶋明彦撮影)

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 前半十一分、華麗なパスがつながった。ラファエレ・ティモシー(神戸製鋼)からウィリアム・トゥポウ(コカ・コーラ)がつなぎ、最後は松島幸太朗(サントリー)が右隅へ。先制された日本の反撃ののろしとなるトライだった。ロシアとの開幕戦。日本代表の先発十五人中八人の外国出身選手が、赤白のジャージーを身にまとっていた。多様な背景を持った桜の戦士が、一体となってピッチで暴れた。

 「ワンチーム」。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)が二〇一六年に指揮官に就任して以降、掲げてきた言葉だ。文化も言葉も違うさまざまな国の選手の結束を、何より重視してきた。背景には苦い記憶がある。

 一一年から六年間、率いた母国ニュージーランドの強豪クラブ「ハイランダーズ」。当初、チーム内は一枚岩ではなかった。名のある同国代表選手が増長し、勝手な振る舞いをするのを止められなかった。和は乱れ、優勝候補と目されながら下位に沈んだこともある。その反省を生かし、重視するようになったのが結束力。無名でも力のある選手を育て、一五年にはハイランダーズを強豪リーグ「スーパーラグビー」での優勝に導いた。

 日本でも求めたのは代表としてのまとまり。練習ではリーダー役に指名した十人を中心に小グループをつくり、戦術を話し合わせた。合宿宿舎には日本代表の歩みや過去の名選手を記したパネルを設置。宮崎県での合宿では「君が代」の歌詞に出てくる「さざれ石」を選手に見学させた。南アフリカ出身のフランカー、ピーター・ラブスカフニ(クボタ)は「さざれ石は小石が合わさり、大きな岩になった。まさに僕らがやるべきこと」と話す。

 海外にルーツを持つ選手が互いを知り、補い合い、ワンチームとなった。その姿は、外国人労働者の受け入れを進める日本社会が目指す姿でもある。リーチ・マイケル(東芝)は「日本人も外国人と仕事をする時代。それをスポーツで見せたい」。世界一を懸けて戦うピッチで、その思いを表現する。

 (対比地貴浩)

 

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