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戦後世代の天皇何語る あす終戦の日

天皇陛下と同学年で、「ひめゆり平和祈念資料館」の館長を務める普天間朝佳さん=沖縄県糸満市で

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 天皇陛下は十五日、戦後生まれの天皇として初めて全国戦没者追悼式に臨まれる。沖縄県糸満市の「ひめゆり平和祈念資料館」で、戦後世代初の館長を務める普天間朝佳(ふてんまちょうけい)さん(59)は陛下と同い年。終戦の日を前に、「令和の時代を迎え、平和の尊さ、戦争の悲惨さを語り継ぐ担い手も引き継がれる時代になっている」と、陛下が語るメッセージに期待を寄せている。

 沖縄戦に看護要員として動員された「ひめゆり学徒隊」の被害を伝える同資料館は一九八九年、平成の幕開けとともに開館した。普天間さんは当時からの職員で、昨年四月、館長に就任。戦争を体験した世代から、記憶の継承を託された。

 戦争の悲しみを知る人に囲まれて育ち、天皇に複雑な感情を抱く時期もあった。しかし、沖縄に何度も足を運んで遺族らの声に耳を傾ける上皇さまの姿勢に触れ、今では「上皇さまがいなければ、もっと早く戦争が忘れられていたのではないか」とすら感じている。

 即位したばかりの陛下がどう平和と向き合おうとしているかは「まだよく分からない」。だからこそ、今年の追悼式のあいさつは特別だ。「終戦直後の荒廃した日本を知る上皇さまの思いを(陛下が)いかに受け取ってきたかが重要になると思っている」

 資料館の歴史を振り返ると「平成は体験者が語り継ぐ時代だった」。ただ、戦争を知る世代の高齢化は深刻。上皇さまが退位した背景と同じだ。

 普天間さんは来館した子どもたちに平和講話を行っている。そこで見せる体験者のビデオメッセージには今も訴えかける力がある一方、「艦砲射撃」「食糧増産」といった用語が理解されないことも多く、同じ戦後世代である大人が、かみ砕いた言葉で語り直す必要性を感じている。「さらに、戦争から遠くなった世代に向けて」をテーマに、資料館は来年七月、リニューアルする。「知らないことは恐ろしい。知る努力をしてほしい」と、今の世代に伝わるような展示や表現を工夫していく方針だ。

 「天皇陛下のメッセージが国民に与える影響は大きい。陛下には戦後世代ならではの思い、次の時代を生きる国民に響く言葉を期待したい」。普天間さんの語り口は、自らに言い聞かせるようでもあった。

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