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ベトナム女性、日本で婚活 「安全、清潔」幸せ求め

ベトナム人と日本人が集まる交流会。男女の出会いの場になることも=4月、名古屋市昭和区の鶴舞公園で

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 技能実習生などでの来日経験のあるベトナム人女性が、日本人男性との国際結婚を求める動きが目立っている。インターネット上には紹介サイトがあふれ、女性たちが「日本語が少し話せます」「(希望する男性は)六十歳くらいまでの方」と売り込む。こうした婚活は「ベト婚」とも呼ばれ、幸せなカップルも成立しているが、就労目的での偽装結婚などの悪用を懸念する声もある。

 今春、名古屋市内の公園で開かれた交流会。五年前に技能実習生として来日したベトナム人女性(28)は、夫となったばかりの日本人男性(42)と緊張気味の表情を浮かべる男女の輪に加わっていた。不慣れな日本語での自己紹介を、夫が補う。「日本に住みたかったんだよね」

 女性は実習生として愛知県内の縫製会社で働いていたが、会社が倒産。やむなく帰国したが、日本での生活が諦められなかった。「犯罪少ない。街がきれい。(水道の)水も飲める」

 結婚相談所の紹介で二月に男性と知り合い、三月に結婚。ベトナム料理も日本食も協力して作っている。就労制限のない在留資格も得たが、今は働くつもりはない。「だんなさん、優しい。私、幸せ」と話す。

 国際結婚支援などを手掛ける一般社団法人「アジア国際交流センター協会」(名古屋市中村区)には、この女性と同様に日本人との結婚を希望するベトナム人女性から相談が相次ぐ。現在は技能実習や留学経験者ら八十人が登録している。

 登録者の一人で縫製の仕事に就く実習生によると、日本での給料はベトナムの約八倍。健康保険や児童手当なども魅力だという。別の女性は「誰だって幸せになりたい」と強調する。

 法務省によると、日本に在留するベトナム人は二〇一八年六月時点で二十九万人超と五年前の四・七倍に急増。厚生労働省によると、技能実習生に限れば中国を抜いて最多の十三万四千人余りとなった。ベトナムとつながりがある日本企業の関係者は「生活水準が低い地域もあり、貧困から抜け出そうと日本を目指す若者も多い」と、婚活熱の高まりとの関連を指摘する。

 日本人と結婚した外国人は就労に制限がない。一部では「最強のビザ(在留資格)」と呼ばれる。国際結婚を巡っては結婚直後に外国人が所在不明になったり、就労目的などで書類上だけ結婚する「偽装結婚」で摘発されたりするケースも後を絶たない。ある外国人支援団体の関係者は「悪質なブローカーが現れないか心配」と話す。

 とはいえ、アジア国際交流センター協会の三谷雅彦代表(50)は、「外国人が増えれば当然、国際結婚も増える」と、支援を惜しまない考え。昨年秋には若者の流出に悩む長野県泰阜(やすおか)村の男性との婚活ツアーにも協力した。

 (斎藤雄介、写真も)

 

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