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かんぽ生命とゆうちょ銀、不適切販売 高齢者ら不利益

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 日本郵政は二十四日、傘下のかんぽ生命保険とゆうちょ銀行が高齢者らに対し、保険や投資信託の不適切な販売を繰り返していたことを明らかにした。保険料が上がって顧客の不利益になる契約を結んだり、高齢者の理解力の確認を怠っていたりした。日本郵政の長門正貢社長は定例記者会見で「深く反省している。お客さま本位の販売体制を構築していく」と陳謝。金融庁はかんぽ生命の調査を始めた。

 かんぽ生命は、同じ種類の保険を一度解約して再び契約する乗り換えで、顧客の利益にならないような契約を複数結んでいた。昨年十一月分の乗り換え契約約二万一千件を調査したところ、同じ種類の保険への乗り換えが約五千八百件に上り、その中に問題の契約があった。かんぽ生命の保険の大半は郵便局で販売されている。契約者の三割弱は七十歳以上が占め、高齢者が不利益を被ったケースもあったとみられる。

 販売員は契約数などに応じて手数料を得られるため件数稼ぎが背景にあったようだ。長門氏は「『(販売目標といった)ノルマがあったから』という議論にくみしたくない」とする一方、ノルマ廃止も含めて再発防止策を検討すると語った。

 ゆうちょ銀は投資信託の販売で、高齢者を勧誘する時に健康状態や商品の理解度を確認していなかった。社内ルールでは勧誘時と契約時に確認することになっているが、守っていなかった。不適切事案は七十歳以上に対する対面販売件数の約四割に上り、ゆうちょ銀の直営二百三十三店のうち九割で発覚した。

 かんぽ生命は現時点で昨年十一月分の乗り換え契約しか調べていない。契約者には個別に対応すると説明したが、調査対象を広げるかどうか明らかにしなかった。

 長門氏は、契約の際に顧客と書面を交わしていることなどを挙げ「法令違反はあったとは思っていない」と強調。不適切かどうかは「定義による」と明言を避けた。

 不適切な販売の全容が判明しない可能性があり、契約者の理解を得られるかどうかは不透明だ。金融庁は「(保険の販売員が)契約者の利益を損ねるようなことがあってはならない」(幹部)としている。

 <日本郵政グループ> グループを束ねる持ち株会社で政府が筆頭株主の日本郵政と、傘下の日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険が中核。日本郵政、ゆうちょ銀、かんぽ生命の3社が2015年11月に東京証券取引所第一部に同時に株式を上場した。稼ぎ頭の銀行と保険事業は低金利で運用収益が低迷している。19年3月期連結決算は売上高に当たる経常収益が12兆7749億円、純利益が4794億円だった。

 

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