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トヨタ、来春から全車種販売 国内全店舗、2〜5年前倒し

 トヨタ自動車は、4系列あるディーラーで全車種を取り扱えるようにする国内販売体制の変更時期を、従来の2022〜25年から20年春に前倒しする方針を固めた。縮小傾向にある国内市場で、多様化する顧客のニーズに対応して販売台数を維持するには、改革を一気に加速させる必要があると判断した。

 トヨタはこれまで、高級セダンのトヨタ店や若者・ファミリー向けのネッツ店など、4つある系列ごとに専用車種を開発、販売してきたが、昨年11月、25年までに全系列で全車種を販売する体制に転換することを発表した。

 東京都内のトヨタ直営店では今年4月、先行的に全車種販売を始めた。他地域の販売店からも、顧客利便性を高めるための要望が強く、大幅な前倒しを決めたとみられる。

 同時に車両開発コスト削減に向け、現在ある約40車種を25年までに30車種程度に絞り込む方針を示していたが、この目標時期を前倒しできるかも検討する。

 人口減少や若者の車離れを背景に国内の新車販売台数は減少しており、トヨタもピーク時の1990年の250万台から4割ほど減少。150万台の販売台数維持を目指し、系列ごとではなく、地域ごとに営業戦略を練る体制に18年に転換した。さらに系列の垣根を完全になくすことで、販売店同士の競争を促し、サービス強化にもつなげる。ホンダや日産はすでに全店舗で全車種を販売している。

◆車との関わり多様化に対応

 トヨタが全系列店ですべての車種を取り扱う国内販売改革を最大で5年前倒しするのは、顧客の利便性向上だけではなく、車の「所有」からカーシェアリングなど「利用」へと使い方が多様化する中、消費者の需要に迅速に対応しなくてはならないという危機感が背景にある。レンタカー店も含めて全国に6000ある店舗ネットワークを活用し、顧客の要望に対応できる体制づくりを加速させる。

 トヨタは専用車種を扱う各ディーラーが競い合いながら販売台数を伸ばしてきた。ただ、「カローラ」ならカローラ店でしか買えないなど、消費者にとっては不便な面もあった。全系列で全車種を販売すれば、顧客も多様な車種から選択することが可能になり、販売強化につながると判断。約280ある販売会社の9割以上を占める独立資本の販売店へも一気に拡大する。

 一方、近年はカーシェアで車を活用するケースが増加。トヨタは、販売店がこうした需要に機敏に対応し、収益源を多様化できるような戦略も打ち出す。

 新車に定額制で乗れる新サービス「KINTO(キント)」は2月から東京で開始、カーシェアの「トヨタシェア」は9月に全国展開する見通し。全国の販売店に導入を求める。試乗車の貸し出しでサービスを充実させる取り組みを独自で始めた販売店もあり、今後は現場の知恵を生かしたこうした競争が激しくなりそうだ。

 (曽布川剛、杉藤貴浩、鈴木龍司)

 

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