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弁護士が更生見守り事業 愛知県提案、国が経費補助

刑務所出所者らの支援を話し合う田原裕之弁護士(右から2人目)ら、寄り添い弁護士制度運営委員会のメンバー=名古屋市中区の愛知県弁護士会館で

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 犯罪や非行をした人の立ち直りと再犯防止に向け、愛知県弁護士会は、受刑中の面会や出所後を見据えたサポートを継続的に行う「寄り添い弁護士制度」を始めた。主に刑の確定までの弁護を役割としていた弁護士が、従来の活動で培った信頼や知識を生かし、住まいや就労先確保などに向けた橋渡しを担う取り組みだ。

 法務省が全国の自治体から提案を募った「地域再犯防止推進モデル事業」の一環。愛知県の案が採択され、県が弁護士会に委託した。会所属の弁護士が、県内の刑務所や少年院を出る人、執行猶予付き有罪判決を受けた人などの相談に乗り、社会復帰後の見守りや債務整理、生活保護申請などの法的な支援に当たる。交通費など弁護士の活動にかかる経費の一部を国が補助する。

 県弁護士会は四月末、制度の運営委員会を設け、刑務所などの刑事施設と調整を始めた。委員長に就いた田原裕之弁護士(名古屋市)は「家族にも見放され、孤立する受刑者は多い。話を聞いてくれる人が一人いるだけでも更生への意欲、希望が大きく変わる」と話す。刑事裁判などでの弁護から引き続き担当する場合、本人の生活状況などを把握でき、弁護士が果たせる役割は大きいと強調する。

 愛知県によると、兵庫県弁護士会が二〇一六年から同様の活動をしているが、国のモデル事業に位置付けられるのは今回が初めて。事業期間は来年二月までで、対象者が愛知県内の刑事施設から県内の住所に戻ることが補助の条件。県外に住むなど条件に当てはまらない場合は、弁護士会が独自予算で支援に当たる。

 受刑者らとの継続的な面会や出所に向けた福祉、行政機関との連絡調整は、これまでも有志の弁護士が担ってきた。ただ多くの場合、受刑者らに十分な資力がなく、弁護士の自己負担に寄るところが大きかった。田原弁護士は「『寄り添い』を弁護士の役割に加えたことに意義がある。モデル事業終了後も継続して取り組んでいく」と話す。

 (安藤孝憲)

 

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