トップ > 一面 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

一面

裁判員辞退6割、増加一途 制度開始から10年

 二〇〇九年の裁判員制度開始から二十一日で十年となるのを前に最高裁は十五日、成果と課題をまとめた総括報告書を公表した。裁判員候補者に選ばれたものの仕事などを理由に辞退した人の割合(辞退率)は増加傾向が続き、昨年は過去最高の67%。全期間では62・5%だった。候補者が選任手続きに出席する割合(出席率)も低下傾向で、最高裁は背景に審理の長期化や国民の関心低下があると分析した。ただ、現状は運用に影響しないレベルだとしている。

 今年三月までの審理数は約一万二千件で、裁判員や補充裁判員として参加した市民は計約九万一千人。量刑面では性犯罪で厳罰化が進んだ一方、放火や殺人で執行猶予が付く割合が高まるなど軽重両方向に幅が広がった。

 最高裁の大谷直人長官は十五日、記者会見し「制度の運用は完成途上で、改善策を検討する必要がある」と述べた。

 最高裁によると、裁判員経験者に毎年実施しているアンケートでは、良い経験と回答した割合が十年を通して95%超。「多くの国民に肯定的に受け止められてきた」と評価した。

 しかし、〇九年に53・1%だった辞退率は、一八年は67%と過去最高を記録した。辞退を申し出なかったり、事前に辞退が認められなかったりした候補者が選任手続きのため裁判所に出向く出席率も〇九年の83・9%から年々低下し、一七年には63・9%になった。一八年はやや増加した。

 判決が裁判官だけで審理する控訴審で破棄される割合は制度導入前と比べて減り、一審の裁判員の判断がより尊重される傾向にある。ただ制度開始から三年間は破棄率が6・6%だったのに対し、それ以降は10・9%に上昇した。

 事前に証拠や争点を絞り込む公判前整理手続きは長期化。〇九年の平均二・八カ月は、一八年に八・二カ月となった。裁判官と裁判員が話し合う評議の時間も伸び、一八年は〇九年の二倍に当たる約十三時間。経験者の多くはアンケートに「適切」「短かった」と答え、報告書は「納得いくまで議論したいという裁判員の真摯(しんし)さの表れ」とした。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索