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100万種、絶滅の危機 国連警告

花に止まるハチ。ハチは受粉に重要な役割を果たす=4月、ドイツ西部のゲルゼンキルヘンで(AP・共同)

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 世界で百万種の動植物が絶滅の危機にひんし、人の活動に伴う生態系の喪失がかつてない速度で進んでいるとの評価報告書を、国連の科学者組織が六日、発表した。人の暮らしを支えるさまざまな自然の恩恵が損なわれると警告し、抜本的な保全強化を訴えた。

 発表した組織は「生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)」で、地球規模の総合的な評価は初。フランス北東部メッスで開かれた先進七カ国(G7)環境相会合は同日、生物多様性の損失を止める取り組みを加速し、二〇二〇年以降の保全目標の策定と実施を支援することをうたう「メッス憲章」を採択した。

 IPBESの報告書によると、人は自然から食料や薬、燃料を得ており、作物の75%は受粉を動物に頼る。サンゴ礁などの沿岸生態系は高潮被害のリスクを抑え、陸と海の生態系は人が排出する二酸化炭素を吸収する役割もあり「自然資源を持続的に利用するには社会や経済、政治などあらゆる分野で変革が必要だ」と指摘している。世界の陸地の75%が大幅に改変されており、湿地は85%が消失、海洋の66%が人の活動の影響を強く受けている。

 種の絶滅も深刻だ。絶滅の速度は、過去一千万年の平均と比べ数十〜数百倍と推定され、評価対象の四分の一に当たる百万種が絶滅の危機にある。陸上の五十万種は生息地が脅かされ、両生類の40%以上と、サメと海洋哺乳類のそれぞれ30%程度が絶滅の恐れがあると見積もった。

 地球温暖化対策の「パリ協定」の目標を達成し、産業革命前と比べた気温上昇を二度に抑えても、サンゴ礁の面積は1%未満まで縮小すると予測。海洋プラスチック汚染は一九八〇年から十倍に増え、ウミガメや海鳥、海洋哺乳類など二百六十種以上に悪影響を及ぼしていると分析した。

 各国は二〇一〇年の名古屋市での生物多様性条約締約国会議で、二〇年までに種の絶滅を防いだり生息地の消失速度を半減させたりするといった「愛知目標」を採択したが、報告書は「現状では達成できない」と指摘した。

 

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