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「北方四島、日本に帰属」削除 外交青書

 河野太郎外相は二十三日の閣議で二〇一九年版外交青書を報告した。一八年版にはあった「北方四島は日本に帰属する」との表現が消えた。「北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていく」との文言も削除された。四島を実効支配するロシアと、拉致問題解決に応じない北朝鮮への態度を一定程度軟化させることで、それぞれとの交渉を前進させる狙いがある。

 北方領土の記述で一九年版は日本の法的立場に関する説明を回避。「問題を解決して平和条約を締結」するとの言い回しにとどめた。一八年版にあった「未来志向の発想により、平和条約の締結を実現する」も踏襲しなかった。日本が条約締結に前提条件を設けているとの印象をロシアに与えないための配慮とみられる。

 北朝鮮の核・ミサイル問題に関し「重大かつ差し迫った脅威となっている」(一八年版)とせず、「本質的な変化は見られない」との控えめな認識に抑えた。「日朝関係」と題した項目を三年ぶりに復活させ、安倍晋三首相が昨年二月に韓国・平昌(ピョンチャン)で北朝鮮要人と接触したことなどを列挙した。

 日韓関係の現状は、韓国海軍艦艇による自衛隊機への火器管制レーダー照射問題などに触れ「韓国側による否定的な動きが相次ぎ、非常に厳しい状況に直面した」と指摘した。韓国で再燃した慰安婦問題をまとめた囲み記事を、一ページ強から二ページに拡大し、問題は解決済みと位置付ける日本側の立場を詳述した。

 韓国人の元徴用工の表記は、「旧民間人徴用工」(一八年版)から「旧朝鮮半島出身労働者」に改めた。韓国での元徴用工訴訟の原告は「徴用された方ではない」(河野外相)と訴える安倍政権の立場を反映させた。

 河野氏は記者会見で北方領土の記述について「総合的に勘案した。政府の法的立場に変わりはない」と強調。菅義偉官房長官も会見で、北朝鮮を巡る表現に関し「米朝首脳会談の開催など北朝鮮を巡る大きな動きを踏まえた」と説明した。

 

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