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イノシシに豚コレラワクチン散布開始 愛知

山林でワクチン入りの餌を穴に埋める委託業者ら=24日午前、愛知県小牧市で(県提供)

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 野生イノシシによる家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の感染拡大を防ぐため、国内で初となるワクチン入りの餌の散布が二十四日、愛知県で始まった。国と県は効果を確認しつつ、今後一年かけて、散布と回収を繰り返す方針。岐阜県内でも二十五日に散布が始まる。

 この日は愛知県職員や委託業者ら約三十人が、感染イノシシが確認された春日井、小牧両市の山林に入り、三十カ所で十センチほどの穴を掘ってワクチン入りの餌を埋めた。二十五日は犬山市で実施する。二日間で、三市にわたる約八十平方キロメートルの山林の計六十カ所に計二千四百個ほどを埋める。

 ワクチンの効力は四日ほどで切れるため、二十九日以降に回収し、その後にわなでイノシシを捕獲して効果を確認。四月中旬ごろ再びワクチンを散布、回収する。夏と冬にも二回ずつ散布と回収を繰り返す予定。

 豚コレラは昨年九月、国内では二十六年ぶりに岐阜県の養豚場で感染が確認された。二月には愛知県豊田市で確認され、五府県に感染が拡大した。愛知県田原市の養豚団地にも広がり、五府県で計約五万頭以上が殺処分された。

 感染したイノシシは、愛知県で十三頭、岐阜県で約二百二十頭が見つかっている。

 (中崎裕)

◆専門家「複合的対策継続を」

 愛知、岐阜両県のワクチン散布計画に助言した北海道大の迫田義博教授(ウイルス学)は「移動を制御できない野生イノシシへの対策としては現状で唯一、効果が期待できる取り組み」とした上で、「ドイツなど海外の成功例を参考にしつつ、今後はワクチンの摂取状況など効果を実証的に確認しながら『日本式』の対策に改善していくべきだ」と指摘する。

 ワクチン散布と合わせ、防護柵などによる養豚場周辺への侵入防止や、捕獲による個体数管理も引き続き重要だと強調。「ワクチンはあくまで対策の一つ。絶対視せず、関係者は計画や効果を広く情報共有しながら複合的な対策を続けていく必要がある」と訴える。

 愛知県畜産協会の神谷俊樹常務理事(61)も「感染イノシシが一頭でも減ることが重要で、効果に期待している。県とは情報交換を密に、各養豚業者への説明にもしっかり取り組んでいく」と話す。

 (安藤孝憲、中尾吟)

 

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