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子育てママを応援する「with mama」

<みえ子育てリアル> 男性の育休

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 小泉進次郎環境相の発言で、改めて関心が集まる「男性の育児休業」。県内では鈴木英敬知事が長男、長女の誕生時に取得し、少子化対策として力を入れる分野でもある。とはいえ、まだまだ少数派なのが現状。県内のパパや企業に実際のところを取材した。

子どもたちと遊ぶ大庭さん

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◆「半年も?」話し合いで実現

 四日市市の会社員大庭正寛さん(31)は二〇一六年九月、第二子の長男が生まれてすぐに半年間、育児休業を取得した。難産で妻の体調が良くなかった上に、千葉県から転勤したばかりで近くに頼れる人がおらず、妻一人では一歳半の長女と赤ちゃんの面倒を見られないと思ったからだ。

◆職場の理解

 社内では当時、育休を取る男性社員はほとんどおらず、半年間という長さも異例だった。上司に決意を伝えると、初めは「半年も何するの?」という反応だったという。家庭の状況を説明し、話し合いの結果、業務への影響を最小限にするため、会社が用意したタブレット端末で情報を共有し、三カ月に一度、出社することになった。

 育休中は危険物取扱者など、仕事で生かせる資格を三つ取得。「半年も職場を離れるとなると、やはり周りの目が気になる。今まで以上に活躍するという姿勢を見せないとと思った」と振り返る。

◆妻との関係

 育休中は赤ちゃんや妻のために何でもやろうと意気込んでいたが、初めはうまくいかなかった。よかれと思って率先して洗濯や皿洗いをしてもやり慣れていないため、結局妻がやり直すことがたびたびあったという。

 「仕事と違ってマニュアルがない。夫婦の間には暗黙の了解のようなものがあるけど、奥さんが何をしてほしいか一から聞くことが大事だった」。次第に家事にも余裕ができて子どもと接する時間が圧倒的に増え、「小さな変化にも気付けるようになった」。

◆パパの悩み

 男性同士で育児の悩みを打ち明けられる場は少ない。大庭さんの場合、四日市市が主催する男性の育児講座に参加し、そこで仲間ができた。「男性はコミュニティーをつくる力は女性に比べて弱い。市や県がいろいろと企画をしていたから、つながりもできた。こういう取り組みをもっと知ってほしい」と考えている。

◆取得率100%の職場 その訳は

 県内の二〇一七年度の男性の育児休業取得率は4・4%で、女性の95・7%に比べて圧倒的に低い。一方で、育休制度を設けている事業所は七割以上。「制度はあるが、風土がない」のが現状だ。

 逆に、育休を「当然」といった雰囲気がある職場は、取得も活発。その一つ、日本政策金融公庫津支店には、公庫独自の「育児参加休暇」があり、男性職員の取得率は100%だ。

育児参加休暇を取得した前田さん(右)

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 同支店の前田亮さん(32)は八月末に長男が生まれた。出産前後に計七日、休暇を取得し、里帰り出産した妻に付き添った。ミルクの与え方や沐浴(もくよく)の仕方を学び、「育児を自分ごととして意識できるようになった。取りやすい雰囲気があり、ありがたかった」という。

 田宮良則支店長(55)は「自分が若いころは休みを取ることが悪という雰囲気があった。私も出産に立ち会ってないし、数日後にやっと赤ちゃんの顔を見たくらい」と振り返る。

 だが、今では県が認定する「みえのイクボス伝道師」として、部下の家庭と仕事の両立を積極的に応援している。「育児で男女が協力するのは当たり前の時代。若い人は皆、そういう意識だし、われわれの世代が考え方を変えていく必要がある」と断言する。

 父親の育児を支援するNPO法人ファザーリング・ジャパンの安藤哲也代表理事は「一〜二カ月休むことで、業務全体の見直しや効率化を迫られ、本当の働き方改革につながる」と、育休が会社に与えるプラス面を指摘する。

 「若い男性には育児をちゃんとしたいという人が増えている。育休が取りやすい風土がなければ優秀な人材は入ってこない。男性の育休は経営問題だと認識するべきだ」と訴える。

◆今回の読みどころ

 女性に比べ、まだまだ低い男性の育休取得率。制度を利用しやすい雰囲気づくりや周囲の理解が職場に求められています。

(文・熊崎未奈 デザイン・金子亜也乃 紙面構成・望月海希)

※次回は11月8日です

 

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