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知るコレ!

噴火の危険 想定し行動 活火山の登山

長野・岐阜県境の焼岳山頂直下の噴煙と登山者

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 2014年9月の御嶽山の噴火からもうすぐ5年。今夏から山頂への立ち入り規制が解除されるなど、少しずつ噴火前の状況に戻りつつあります。中部地方には噴火の可能性のある活火山が多く、そのほとんどが登山者に人気の山。どうすればできるだけ安全に登山を楽しめるのか、記者が実際に登って考えました。(宮崎厚志)

◇ヘルメットや計画書が必要

 地球の息づかいを感じられる噴煙や緑色の火口湖、カルデラなどの雄大で特徴的な景観―。危険をはらみながらも火山には多くの魅力があります。

 中部地方には御嶽山のほかにも、浅間山や乗鞍岳、白山など、日本百名山に名を連ねる火山が多くあります。最高峰の富士山も活火山です。

 北アルプスの焼岳も、その一つ。7月末以降、噴火による衝撃波である「空振」を伴う低周波地震を何度も観測しています。ほかに異常が見られないため、気象庁が発表している噴火警戒レベルは「活火山であることに留意」というレベル1。今夏は推定で1日に400人近くが登った日もあるようですが、御嶽山の噴火時もレベル1で、油断はできません。

 「防災の日」の1日、焼岳に登ってみました。登山口は長野県松本市の上高地。国内外から毎年120万人以上が訪れる屈指の山岳リゾートですが、焼岳の噴火警戒レベルが3になれば封鎖となります。

 山頂に近づくと、あちこちの噴気孔から蒸気が上がり、硫黄のにおいが鼻をつきます。穂高連峰を一望できる山頂は大にぎわい。反対側を見下ろすと、美しい火口湖と噴煙が見えます。

 30人の登山者に防災意識を聞いてみました。まずは噴石から頭を守るヘルメット。かぶっているのは18人と半数より多く、途中の焼岳小屋でも500円でレンタルできます。

 小屋番の鈴木大地さん(30)は「市が推奨していることもあり、御嶽山の噴火以降はかぶる意識が高まっている」と言います。県が提出を義務付けている登山計画書は28人が出していました。いざというときの安否確認のもとになる書類で、インターネットで提出した人もいました。

 最も大事なことは、登山前の情報収集。26人が気象庁のサイトなどで確認していました。登山口に張り出された注意事項で、噴火警戒レベルや立ち入り禁止エリアを把握していた人もいました。ただし、外国人や団体登山の参加者の中には例外も。こうした人たちにも確実に情報を届けられるかが、今後の課題と言えそうです。

◇警報メールで下山や避難を

 万が一、登山中に噴火が起こった場合はどうすればいいでしょうか。目の前に身の危険がない場合、重要なのは最新情報です。

 御嶽山の噴火後、火山の噴火や前兆現象が観測されると、気象庁が発令した警報を携帯電話に知らせる仕組みができました。地震や津波、大雨、ミサイルと同じように、圏外でなければ登山者のもとにも緊急速報メールが届きます。

 これを受けたら、登山を中止して下山するのが原則です。山頂付近であれば、シェルターや最寄りの山小屋に避難します。ただし、NTTドコモ、au、ソフトバンクの大手3社以外では対応していない場合があるので、注意や追加の設定が必要です。

 ただ、警報が鳴らなくても安心はできません。気象庁・火山監視警報センターの松末伸一さん(55)は「前兆を把握できない突発的で小さな噴火も起こり、こぶし大の噴石は飛んでくる可能性があります」と注意を呼び掛けています。

 噴火を想定してヘルメットをかぶっておくこと、噴煙地帯や火山ガスがたまりやすいくぼ地などは素早く通り抜けることなど、ちょっとした行動が生死を分けるかもしれません。

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