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知るコレ!

報道のふり 人をだます フェイクニュース

「フェイクニュースを見破る力を身に付けて」と語る笹原和俊さん=名古屋市千種区で

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 数え切れない情報が飛び交うインターネット。会員制交流サイト(SNS)を利用して拡散される、うその情報「フェイクニュース」がいま、問題になっています。私たちは間違った情報に踊らされないよう見極める力を身に付ける必要があります。(北島忠輔)

 どんな情報をフェイクニュースと呼ぶのでしょうか。

 イギリスの代表的な辞書であるコリンズ英語辞典には「ニュース報道の体裁で拡散される虚偽で扇情的な情報」と記載されています。

 扇情的とは、とても強い欲望をあおり起こさせること。でも、はっきりとした定義はありません。

 注目されるようになったのは、アメリカのトランプ大統領が当選した2016年の大統領選挙がきっかけでした。例えば、「ローマ法王がトランプ氏の支持を表明」といううその情報がSNSで拡散され、100万人近くの人がシェアしたといわれています。

 フェイクニュースが現実の事件につながったこともあります。大統領選挙でライバル候補だったクリントン氏が首都ワシントンのピザ店を拠点とした犯罪組織に関わっているというでっち上げの内容を信じた男が、銃を持って店に押し入り、発砲したのです。けが人は出ませんでしたが、男は禁錮4年の実刑判決を受けました。

 日本でも、災害や選挙の時に、事実ではない“ニュース”がSNSで広まる現象が起きています。

 16年4月の熊本地震直後には、「動物園からライオンが放たれた」という偽情報が、ライオンがうろつく画像とともにツイッターに投稿され、2万件以上もリツイートされました。

 当時20歳の男は、動物園の仕事を妨げた疑いで逮捕されました。「驚かせようと思って悪ふざけでやった」と語ったそうです。

 また、トランプ大統領は、気に入らない報道を「フェイクニュース」と呼んで反発することがよくあります。自分に不利な報道を否定する意味で使われるケースも増えているようです。

 よく考えれば「怪しい」と思える情報が、どうして拡散されるのでしょうか。名古屋大大学院講師の笹原和俊さんは「人は自分の好みに合う情報に接すると、事実かどうかを確認する前に信じてしまうという弱点がある」と説明します。

 また本当かどうか怪しくても、「いいね!」の数が多かったり、友人がシェアしていたりすると、信じやすくなるそうです。こうした人間の特性が、フェイクニュースが拡散される背景にあるようです。

 最近は、動画に映る人物の顔を別人に取り換えるなどの「ディープフェイク」と呼ばれる人工知能(AI)技術も進んでいます。

 不正をした人が証拠の映像を突きつけられた時、「それはでっち上げだ」と主張しやすくなり、ついには、すべてのニュースが信頼されなくなってしまうかもしれません。

 真実が意味を持たない状況は「ポスト真実」と言われます。その時代を生きる私たちは、どのように対処したらいいのでしょうか。

 笹原さんによると (1)事実を伝えているか (2)情報源はだれか (3)ニュースの全体像はどうなっているか (4)記事の目的は何か― などを意識してニュースを読むと、だまされる確率は減ります。

 「フェイクニュースを拡散することは、犯罪に加担することにつながります。そうならないように、うそを見破る力を身に付けてください」と笹原さんは話しています。

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