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知るコレ!

世界の学校と絵で交流 アートマイル 国際協働学習プロジェクト

東京(とうきょう)とインドネシアの生徒(せいと)が描(えが)いた絵と、来年度(らいねんど)の参加(さんか)を呼(よ)びかける塩飽隆子(しわくあつこ)さん、康正(やすまさ)さん夫妻(ふさい)=兵庫県赤穂(ひょうごけんあこう)市で

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 小中学生や高校、大学生が、海外の学校の同世代(どうせだい)と意見(いけん)を交(か)わし、一緒(いっしょ)に1枚(まい)の絵を仕上(しあ)げる−。そんな「アートマイル国際協働学習(こくさいきょうどうがくしゅう)プロジェクト」と呼(よ)ばれる活動(かつどう)に取(と)り組む学校が、増(ふ)えています。主催団体(しゅさいだんたい)は来年度(らいねんど)、2020年開催(かいさい)の東京(とうきょう)オリンピック・パラリンピックに参加予定(さんかよてい)の205の国・地域(ちいき)の学校と、日本の学校を結(むす)ぶ事業(じぎょう)を計画し、参加校を来年1月から募(つの)ります。 (佐橋大(さはしひろし))

意見やりとり 半分ずつ描く

 三重県津(みえけんつ)市の三重大付属(ふぞく)中学校で4日、国際福祉活動部(こくさいふくしかつどうぶ)の生徒(せいと)24人が、海を汚(よご)すプラスチックごみの削減(さくげん)について、テレビに向(む)けて意見(いけん)を英語(えいご)で発表(はっぴょう)しました。テレビは、インターネット電話「スカイプ」で、サウジアラビアの女子中学校とつながっています。

 「アートマイル」の活動の一環(いっかん)です。半年かけて調(しら)べ学習(がくしゅう)をし、話し合い、作品(さくひん)を仕上(しあ)げる活動です。赤坂心(あかさかこころ)さん(3年)は「プラスチックを削減する目標(もくひょう)が世界(せかい)と共有(きょうゆう)できてよかった」、宮原知佑(みやはらともすけ)さん(同)は「イスラム教が厳(きび)しくて、男子はカメラに写(うつ)らない所(ところ)に座(すわ)らなければいけなかったけど、快(こころよ)く話を聞いてくれた」と話しました。

 ごみの現状(げんじょう)を事前(じぜん)に調べ、英語で話す練習(れんしゅう)もしました。共有した環境(かんきょう)への思いを込(こ)め、美術(びじゅつ)部の生徒が縦(たて)1・5メートル、横(よこ)3・6メートルのキャンバスに絵を描(えが)いています。半分を完成(かんせい)させて相手(あいて)校に送(おく)り、来年3月までに残(のこ)りを描いてもらいます。

 交流(こうりゅう)相手は、主催(しゅさい)する一般財団法人(いっぱんざいだんほうじん)「ジャパンアートマイル」(兵庫(ひょうご)県赤穂(あこう)市)が決(き)めます。「平和(へいわ)」「水の問題(もんだい)」など、共通の関心事(かんしんじ)を絵のテーマにします。参加校同士(さんかこうどうし)が動画や写真(しゃしん)をやりとりする仕組みが、ネット上に整(ととの)えられています。塩飽隆子理事長(しわくあつこりじちょう)(62)は「国際的(てき)に協働(きょうどう)する経験(けいけん)や力は、これからの社会で求(もと)められています。アートマイルをきっかけに、国連(こくれん)で働(はたら)きたいと海外の大学に進学(しんがく)する人も出てきています」と声をはずませます。

 英語教育(きょういく)に携(たずさ)わってきた塩飽理事長が「世界の人と対等(たいとう)に対話できる人を育(そだ)てたい」と2006年に始(はじ)めました。これまでに67の国・地域(ちいき)の延(の)べ1277校、約(やく)4万4000人が参加。本年度(ほんねんど)も小中学校など日本の45校が21の国・地域の学校と交流しています。三重大付属中や愛知(あいち)県の8校など中部(ちゅうぶ)地方の15校も含(ふく)まれます。

 7回目の参加となる愛知県東浦(ひがしうら)町緒川(おがわ)小学校の6年生は、9月から、アフリカのマラウイの学校と交流しています。荒川桜(あらかわさくら)さんは「マラウイでは、私(わたし)たちと同じ年齢(ねんれい)の子がみんな学校に行けるわけではなく、日本の当たり前が、世界ではそうではないことが分かりました。世界とつながり、協力して作品を作るのは楽しい」と教えてくれました。

五輪参加国とつなぐ計画も

 「アートマイルを通して、未来(みらい)を創(つく)る力を付(つ)けてほしい」と考える塩飽(しわく)さん。世界(せかい)の注目(ちゅうもく)が集(あつ)まる東京(とうきょう)オリンピック・パラリンピックは、日本の子どもが世界とつながる貴重(きちょう)な機会(きかい)だととらえています。

 大会も盛(も)り上げたいと、すべての参加予定国(さんかよていこく)との交流(こうりゅう)を計画し、来年度(らいねんど)のプロジェクトは大会組織委員会(そしきいいんかい)から「応援(おうえん)プログラム」の認定(にんてい)を受(う)けました。作品(さくひん)は、両(りょう)大会の開催(かいさい)に合わせて展示(てんじ)したいといいます。

 日本の参加校も205を確保(かくほ)したいそうです。絵のテーマは「貧困(ひんこん)をなくそう」「飢饉(ききん)をゼロに」といった国連(こくれん)の持続可能(じぞくかのう)な開発目標(かいはつもくひょう)(SDGs(エスディージーズ))から選(えら)びます。画材(がざい)とシステム使用料(しようりょう)が約(やく)4万5000円必要(ひつよう)です。来年1月7日から2月末(まつ)まで募集(ぼしゅう)。詳細(しょうさい)は、ジャパンアートマイルのホームページで=団体名(だんたいめい)で検索(けんさく)。

「未来(みらい)に残(のこ)したいもの」などを描(えが)く児童(じどう)たち=愛知県東浦(あいちけんひがしうら)町の緒川(おがわ)小で

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