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知るコレ!

人の生き方 どう変わる 人生100年時代

人生100年時代(じだい)について語る樋口恵子(ひぐちけいこ)さん=東京都杉並区(とうきょうとすぎなみく)で

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 「人生100年時代(じだい)」という言葉(ことば)を知っていますか。最近(さいきん)耳にする機会(きかい)が増(ふ)えたのは、2007年に日本に生まれた今の小学5、6年生の半数が107歳(さい)まで生きるという説(せつ)が出たから。実際(じっさい)のデータなどを調(しら)べ、100年を生きるヒントも探(さぐ)ってみました。 (芦原千晶(あしはらちあき))

 「2007年にアメリカやカナダ、イタリア、フランスで生まれた子どもの50%は、少なくとも104歳(さい)まで生きる見通しだ。日本の子どもにいたっては、なんと107歳まで生きる確率(かくりつ)が50%ある」

 この衝撃的(しょうげきてき)な文章(ぶんしょう)は、16年発売(はつばい)のビジネス本「LIFE(ライフ) SHIFT(シフト) 100年時代(じだい)の人生戦略(せんりゃく)」に、人口学者(じんこうがくしゃ)たちの推計結果(すいけいけっか)として載(の)りました。これまで多くの人は、80年ほどの寿命(じゅみょう)を前提(ぜんてい)に、教育(きょういく)を受(う)け、仕事(しごと)をし、引退(いんたい)する−との3段階(だんかい)で人生を考えてきましたが、この本は寿命の延(の)びとともに、仕事の仕方、長生きに必要(ひつよう)なお金、家族(かぞく)の形などを変(か)えていくべきだと具体(ぐたい)的に示(しめ)しました。現在(げんざい)30万部(ぶ)を売り、漫画版(まんがばん)も先月出ました。

 17年には政府(せいふ)が、著者(ちょしゃ)でイギリスの経営(けいえい)学者リンダ・グラットンさんを招(まね)き、新しい時代の政策(せいさく)を検討(けんとう)する「人生100年時代構想会議(こうそうかいぎ)」をスタート。今年6月、大学での教育の無償化(むしょうか)や学び直しなどについて基本(きほん)構想をまとめました。

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 でも、本当に100年も生きられるようになるのでしょうか? 昨年(さくねん)の日本人の平均(へいきん)寿命は、男性(だんせい)81.09歳、女性87.26歳。国立社会保障(しゃかいほしょう)・人口問題研究所(もんだいけんきゅうじょ)によると、65年時点の推計の平均寿命は、男性84.95歳、女性91.35歳です。「平均寿命が100歳になることは当分なさそう」と所員(しょいん)は語ります。

 ただ、100歳以上(いじょう)の人数は増(ふ)えています。国は今月、約(やく)7万人いて、48年連続(れんぞく)で増加(ぞうか)したと発表(はっぴょう)。同研究所の推計では5年後に10万人を、31年後に50万人を超(こ)えるそうです。

 「人生100年というと、健康(けんこう)に長生きできるかなとか、高齢者(こうれいしゃ)が増(ふ)えて大変(たいへん)といった負(ふ)のイメージがあるかもしれません。でも、100歳(さい)まで生きられるのは、平和(へいわ)な素晴(すば)らしい社会だから」

 そう話すのは、100歳以上の高齢者の研究(けんきゅう)に早くから関心(かんしん)を寄(よ)せ、5年前に「人生100年時代(じだい)への船出」という本を出した評論家(ひょうろんか)の樋口恵子(ひぐちけいこ)さん(86)。確(たし)かに、終戦(しゅうせん)間もない1947年の平均寿命(へいきんじゅみょう)は、戦争(せんそう)で若(わか)くして亡(な)くなった人の影響(えいきょう)が残(のこ)り、男性(だんせい)が50.06歳、女性が53.96歳。その後は医療(いりょう)も進(すす)み、どんどん寿命は延(の)びていきました。

 寿命が100年になると何が変(か)わるでしょう。「昔(むかし)の人は七転(ななころ)び八起(やお)きと言いましたが、これからは、十四転び十五起きになると思いますよ。要(よう)するに、いろんなチャンスが増えるということ。だから失敗(しっぱい)してもあきらめないことが大切」

 家族(かぞく)の関係(かんけい)も変わります。これまで同時代に生きるのは、子、親、祖父母(そふぼ)の3世代(せだい)とされていましたが、今後は4世代になるとも。「少子化(しょうしか)なので、高齢者の独(ひと)り暮(ぐ)らしが増え、より支(ささ)え合う必要(ひつよう)がありますね」

 では、人生100年時代を生きる皆(みな)さんへのアドバイスは? 「まずは栄養(えいよう)のあるものを食べ、100年をしっかり生きるために健(すこ)やかな心身(しんしん)をつくること」と樋口さん。そして20歳(はたち)になるころ、50歳、80歳、100歳のころなどを具体的(ぐたいてき)に想像(そうぞう)しながら人生100年の設計図(せっけいず)を描(えが)いてと言います。「すると、いろいろ勉強(べんきょう)して好(す)きなことを見つけ、生かし、長く働(はたら)くことが大切と分かるでしょう。自分の能力(のうりょく)を活用して自分も他人(たにん)も幸福(こうふく)にする良(よ)い世(よ)の中をつくってほしい」と願(ねが)いました。

 

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