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鉄道まるっと切り抜き帳

小坂森林鉄道、変遷の歴史記す 研究会の坂中さん、上巻を自費出版

小坂森林鉄道の歴史を本にした坂中さん(右)と研究会のメンバー=下呂市小坂町内で

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昭和10年代に使われていた車両=下呂市小坂町内で(小坂森林鉄道研究会提供)

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 昭和初期から40年代半ばまで木材搬出のため下呂市小坂町を走っていた森林鉄道の歴史を、小坂森林鉄道研究会の坂中真之さん(38)=愛知県一宮市=が本「小坂森林鉄道上巻 飛騨最大の森の鉄路」にまとめ、自費出版した。埋もれていた資料を掘り起こした労作で、研究会の他のメンバーも写真収集などで協力。下巻は来年にも発刊する。

 本は3章に分かれ、木材搬出の歴史、その後の鉄道敷設と活用、使われた車両の詳細を紹介している。鉄道は、昭和3(1928)年の小黒川線敷設に始まり、JR飛騨小坂駅ができた昭和8年の小坂線敷設により、本格的な運行が始まった。鉄道が敷かれる以前、木材は川を使って搬出されていたという。

 鉄道は、昭和30年代のピークには66キロにまで延伸され、年間4万立方メートルの木材を運んだ。車両は当初、ガソリンエンジンが使われてきたが、燃料事情を反映して太平洋戦争中は木炭車、戦後はディーゼル車にと変遷してきた。

 鉄道ファンの坂中さんはシステムエンジニアの仕事の傍ら、15年ほど前から全国各地で森林鉄道の歴史を調べてきた。下呂市小坂町にも廃線跡を探しに来て、研究会の会長を務める川井広義さん(70)=同町=と出会った。坂中さんは国立公文書館や国会図書館などに残されている森林鉄道の資料を調べるうちに、小坂森林鉄道の資料が数多く残されていることに気付き、出版を決意。本に掲載された写真は、鉄道で働いたことのある住民から、研究会メンバーが集めてきた。

 本の車両に関する記述にはまだ、資料が欠けている年代もあるという。坂中さんは「森林鉄道は分からないことが多いからこそ、調べるのが面白い」と資料集めを続けている。下巻は、各路線の詳細や貯木場などについてまとめる予定だ。

 川井さんは「ここまで詳細に森林鉄道について調べた本はなかったと思う。小坂の重要な産業遺産として残しておくべき歴史がこうして残されるようになって良かった」と喜んでいる。

 A4判、100ページで、2500円(税別)。(問)研究会長の川井さん=0576(62)2541

 (吉田幸雄)

 

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