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鉄道まるっと切り抜き帳

なぜ?特急が止まる名鉄・岩倉駅

特急が止まる岩倉駅。夕方は職場から家に帰る大勢の人を運ぶ=名鉄岩倉駅で

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 Q.名鉄犬山線岩倉駅は、特急をはじめ全ての電車が停車します。人口5万人の小さな岩倉市ですが、どうして特急までもが停車してくれるのでしょうか? =岩倉市大市場町、大島初美さん(52)

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 平日午後6時の岩倉駅。地下改札から帰路につく人たちがはき出されていく。名古屋駅から10分ほどの至便な立地。声を掛けた会社員の男性(60)は「特急が止まって便利だから」という理由で、20年前に岐阜県から岩倉市に移り住んだという。「飲んで帰ってくるのにも良いしね」と笑った。

 人口5万人の岩倉市。決して大きいとはいえない町だが、なぜ特急電車が止まるのか−。さっそく名鉄に問い合わせた。

 名鉄広報部の説明によると、「利用客が多い」「他路線やバスへの乗り換えができる」などを総合的に考慮して、特急を停車させるかを決めている。岩倉駅の一日平均乗降客数は2017年度で2万4000人。特急が止まる50駅の中では11位。名鉄本線の国府宮駅(稲沢市)の2万2000人よりも多く、意外にもかなり上位だ。名鉄バスに乗り換えて一宮や小牧方面へ向かうこともできる。

 かつて岩倉駅は、1960年代半ばまでは、一宮市役所付近にあった東一宮駅と岩倉駅とを結ぶ「一宮線」、小牧方面へ向かう「岩倉支線」(いずれも廃線)と、犬山線が交わる“要衝”だった。にもかかわらず各駅停車の普通と、準急しか止まらなかった。

 特急が止まるようになったのは70年のことだ。

 「岩倉市史」によると、65年ごろから、岩倉団地の建設などにより急激に人口が増加。66年だけでも人口は9000人も増えた。このころは高度経済成長のただ中。名古屋市にも比較的近く、鉄道も通っているため住宅開発が進んだ。3万人を超えた旧岩倉町は、71年、市制移行を果たす。町は祝賀ムードに包まれたという。

 くしくも同時期に実現した特急停車と市制は、都市が急成長した「証し」で、偶然の一致ではないだろう。

 ところで、岩倉より多い人口8万人を抱える隣の北名古屋市。その中心駅、西春駅の一日の乗降客数は2万3000人と岩倉とさほど変わらないが、特急は止まってくれない。

 北名古屋市の長瀬保市長(78)にこの点を聞くと、「特急は市民の願いなんだわ」。思いは分かる。「人口も増えているしね。名鉄さん、西春駅にも止めてくれないかなあ」

 ちなみに筆者の利用駅は江南。もちろん特急は、止まります。

 (江南通信部・鈴木里奈)

 

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