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鉄道まるっと切り抜き帳

「狭すぎるホーム」西枇杷島駅拡張へ 名鉄、来年度中に「待てる」駅に

極端に狭い名鉄西枇杷島駅のホーム(本社ヘリ「まなづる」から)=清須市西枇杷島町で

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 狭すぎることで有名な名鉄名古屋本線の西枇杷島駅(清須市西枇杷島町)について、名古屋鉄道は、ホーム拡幅などの工事に着手する。これまではあまりの狭さからベンチや屋根もなく、電車が来る直前まで乗客が待つこともできなかった。地元の利用者が利便性向上を喜ぶ一方、鉄道ファンからは惜しむ声が上がりそうだ。

 「名古屋方面の電車がまいります」。駅係員の声が響くと、細長い無人のホームに向かって、改札を通過した利用客が次々と踏切を渡っていく。西枇杷島駅で毎朝見られる珍光景だ。

 名古屋へ買い物に行く時などに利用するという清須市の女性(70)は「広くなって屋根もつき、ホームで電車を待つことができるなんて、うれしいわ」と声を弾ませた。

 上下線のホームの長さはそれぞれ80メートルで、幅は最大で4メートル。安全確保のため電車到着数分前まで利用客は入ることができない。当然ベンチもなく、あるのは駅名の看板と、非常通報ボタンが付けられた柱だけ。このような「何もないホーム」は、名鉄では西枇杷島駅だけという。

 名古屋駅から3駅目の同駅は普通電車しか止まらない。平日朝のピーク時では、一時間当たりで停車が上下計4本にとどまるのに対し、特急や急行など30本が通過する。

 両ホームの外側には、通過電車を待つための「待避線」があり、ホームが島のように線路に囲まれている。南側にしかない駅舎と改札は待避線の外側に位置するため、利用客は踏切を通ってホームに入る。

 名鉄によると、駅は1914(大正3)年に開業。69年までに現在の形になったことが確認されている。

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 3月のダイヤ改正で待避線が不要となり、踏切を渡らなくても改札からホームに移動できる、ごく当たり前のスタイルに改修することが可能となった。同時にホームも広げ、屋根やベンチを新設する。2019年度中に着工し、20年度末までに完成する予定。

 駅は一部の鉄道ファンの間で「ホームに何もなく、誰もいない駅」などとして有名。名鉄によると、休日には10人以上の鉄道ファンが訪れることもあるという。

 「名古屋鉄道 今昔」の著書がある徳田耕一さん(66)は「常時ホームに出られない駅は昔はけっこうあったが、今では全国的にも珍しい。安全性が向上するのはいいこと。ただ、昭和の面影が残る駅の風景がなくなるのは少し寂しい思いもある」と話している。

 (榊原智康)

ホームが狭く、ベンチや待合室がない=清須市西枇杷島町で

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