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尾張万華鏡

愛岐トンネル くぐれば燃え盛る秋

撮影データレンズ70−200ミリ、F16、1/250秒、ISO2500

写真

 その姿が見られるのは、新緑と紅葉の季節だけ。川のせせらぎに誘われて山あいに歩を進めれば、ひっそりとたたずむ遺構が現れる。

 春日井市と岐阜県多治見市間に残る旧国鉄中央線の「愛岐トンネル群」。普段は閉ざされているが、市民有志でつくる愛岐トンネル群保存再生委員会が足場を整えて、十日間ほど一・七キロ区間を公開している。

 一九〇〇(明治三十三)年に中央線の名古屋−多治見間が開通し、蒸気機関車(SL)が県境をくぐり抜けた。六六年の複線電化で新トンネルができ、廃線となった旧トンネル群は、静かに森で眠っていた。

 十年前から市民が手入れを続け、十三のトンネルのうち、春日井市のJR定光寺駅から北へ、四つが散策できる。昨夏、二つが国の登録有形文化財に指定された。珍しい動植物も生息するトンネル群一帯を、毎年整備に訪れる女性(75)は「何度来ても魅了される宝の山なのよ」と無邪気に笑う。

 真っ暗なトンネルの先に待つ、樹齢百年を超える大モミジ。光を帯びた真っ赤なきらめきが、一層いとおしく感じられる。公開は十二月三日まで。

 文 ・浅野有紀

 写真・中村千春

 
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