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尾張万華鏡

馬ケ城浄水場 水を育むうろこの舞

撮影データレンズ70−200ミリ、F8、1/500秒、ISO800

写真

 コンクリートの壁を、うろこ模様の「波紋」が覆う。初夏の陽光を浴びて銀色にきらめく様は、巨大魚の背中のようで、神秘的な水墨画のようでもある。

 三国山や猿投山の谷川を水源とする馬ケ城(うまがじょう)浄水場(瀬戸市馬ケ城町)は、一九三三(昭和八)年に完成した。今では珍しくなった「緩速ろ過方式」を採用。薬品は使わず、砂の層をゆっくりと通過させ、水をきれいにしている。

 波紋が現れるのは、雨が降って貯水池の水があふれ、高さ十六メートルの堤防を伝って流れ落ちるときだけ。浄水場は年に一度、六月第一日曜に一般公開しており、運が良ければ目にすることができる。

 なぜ波紋ができるのか。浄水場管理事務所の橋本孝治所長(56)は「堤防には玉石が混ざった粗いコンクリートが使われており、ざらついた表面を水が流れるからでは」と推測する。

 馬ケ城浄水場の水は硬度が低く、口当たりが軟らかいと評判だ。完成から八十年以上、歴史的な建造物は私たちにおいしい水を提供し、時に、自然が織りなす美を見せてくれる。

  写真・今泉慶太

   文・堀井聡子

 
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