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不登校経て生まれた目標 悩む保護者、経験した生徒と交流

不登校経験のある高校生が当時の気持ちなどを語った交流会=名古屋市内で

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 不登校の子どもはどんな気持ちでいるのか。将来はどうなるのか−。悩みを抱える保護者が、中学時代に不登校を経験した高校生に当時の思いなどを聞く交流会が名古屋市内であった。参加したクラーク記念国際高校名古屋キャンパス(名古屋・名駅)の二〜三年の生徒三人に、あらためて不登校の時期を振り返ってもらった。

◆保健室で夢できる

 三年の女子生徒(17)は、中学一年の夏休み明けから学校に通えなくなった。中学二年で転校し、直後は通えたが三カ月ほどで再び不登校になった。

 中学に入学した直後に「何かのタイミングで男子たちにすごく嫌われた」。すれ違うたびに「どけよ」などと言われ、休みがちに。男子が怖くなり、「みんな同じように思っているのでは」と仲良しの女子とも話せなくなった。

 誰にも打ち明けられなかった。「自分が恥ずかしく思えるし、相談した相手から『かわいそう』と思われるのもすごく嫌だった」。一緒に暮らす祖母には「他の子は頑張っているのに」と登校を促されたが「他人と比べられるのがすごく嫌だった」と反発した。

 学校に行けなくなり、最初は不安だった。「少なかった友人がさらにいなくなり、勉強も分からないから、どうしようって」。登校するよう言われなくなると「朝早く起きなくていいし、ゲームし放題だったので、家にいるときは快適でした」と落ち着いた。ただ「コンビニや書店などに出掛けた時に同じ中学の制服を見掛けると、走って逃げてました」と振り返る。

 高校への進学は「勉強ができるか不安はあったけど、転校までさせてくれた親や、心配させた祖母に申し訳なくて頑張らなきゃって思った。高校で仲良しの友人ができたことも大きかった」と話す。

 大学への進学が決まっており、養護教諭を目指す。「転校先の中学で保健室の先生にすごくお世話になった。『死にたい』って言ったこともあって、卒業のときに『生きててね』って抱き締めてくれた。かっこよくて、同じようになりたいっていう夢ができた」

◆見つけた新たな道 

 二年の男子生徒(17)は、中学二年から卒業まで不登校に。もともと朝が弱かった。中学で塾に通いながら部活の練習もこなすハードスケジュールの中、顔色の悪さを心配した母に連れられて行った病院で「自律神経がうまく働いていない」と診断された。

 朝起きるのがつらく、学校を休みがちになると、父に「そんなことでは将来が駄目になる」としかられた。「自分でも駄目だと分かっていても、体力的に難しくて行けない。そんな中で厳しく言われ続け、もっと行きたくなくなった」

 外出はほとんどせず、スマートフォンをいじることが多かった。「学校から目を背けたくて、何も考えたくない時にスマホを触っていたように思う」

 そこで見つけた映画の予告が一歩を踏み出すきっかけに。「映画を見に行ったり、関連の本を買ってみようと書店に行ったり、いろんなことに目が向き、音楽も好きになった。人と話すことを怖いと思うことがあったけど、外に出るようになって克服できた」

 高校への進学は「自分の中でも、このままでは将来が危ないと考えていた。高校に上がる大きな節目で切り替えようと思った」と話す。

 不登校の時期については「それまで頑張ってきたことを一回やめて、無駄になったとも思ったけど、映画とか新しいことに目を向けるきっかけにもなり、やりたいと思えることが格段に増えた」と前向きに受け止めている。

◆導かれた適応教室

 二年の男子生徒(16)は、中学二年の夏休み明けから卒業まで不登校に。中学三年で転校したが、週二回程度、夕方に保健室に通うのが精いっぱいだった。

 きっかけは「部活のレベルについていけず、心が折れた」こと。「頑張って練習しても全然上達しなくて、期待されていないと感じて部活に出なくなり、友人もいなくなった」。母の再婚という環境の変化も重なった。

 不登校の間に通った適応指導教室で、将来の目標が定まった。「何を言っても優しく対応してくれ、怒るときも自分で考えさせ、自ら悪かったと思えるように諭してくれる教員さんがいて、僕もこんな人間になりたいと思った」

 高校に通うことには「勉強とか不安はあったけど、行かなきゃいけないという固定観念があったので、そこまで抵抗はなかった」という。

 これからは大学に進学し、経営学部で学びたいと考えている。「負けず嫌いで友人に負けたくなくて頑張っている。教員さんのような人になりたいとの思いもある。いろいろなことに挑戦し、成長を実感できていることも自分を引っ張っている」と話す。

◆30日、岐阜でも開催

 交流会は10月26日、クラーク記念国際高校名古屋キャンパスで開催。こども教育支援財団が主催し、連携する同校の生徒が参加した。財団は同様の交流会を11月30日午後3時から同校岐阜駅前キャンパス(岐阜市)で、不登校を経て学校に通えるようになった子の保護者との交流会を12月14日午前10時から財団運営の東京大志学園名古屋校(名古屋・名駅)で開く。(問)同財団=電052(462)8081

 (河原広明)

 

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