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みんな快適に学校のトイレ LGBT配慮、学ぶ場にも

ほうきなどを使い掃除する児童。床は防臭のコーティングが施されている=岐阜県安八町の結小学校で

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 「汚い、くさい」が代名詞だった学校のトイレが変わりつつある。家庭のトイレの洋式化が進み、においの解消や明るさに配慮することが集中力向上などの好循環を生むことも後押しする。誰でも利用できる「みんなのトイレ」を整備することで、性的少数者(LGBT)への配慮を学ぶ機会につなげる学校もある。

 岐阜県安八町の結小学校。昼休みが終わると、児童がトイレ掃除に取り掛かった。床に水をまいてブラシで磨く光景はなく、ほうきとちり取りでごみを集め、手洗い場はさっと水拭き。六年生の大脇大和君は「においが気にならない。段差もないからごみが集めやすい」と手際良く作業した。

結小学校の1階トイレの手洗い場は男女共用で、おしゃべりの場にも=岐阜県安八町の結小学校で

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 二年前までは「暗い、くさい、汚い」の三拍子がそろい、和式の便器が並んでいた。白を基調に、ピンクや青、黄色をアクセントにした今の明るい内装は、これまでの学校のトイレのイメージとは、かなり違う。

 きっかけは三年前に児童代表と校長らが意見を交わした「ゆめ会議」。児童からトイレ改修の要望が上がり、「明るく、におわない」を目標に、改修が始まった。

 国からの補助金も受け、二〇一七年夏に完成。車いすの児童が使える多目的トイレを「みんなのトイレ」と呼び、全フロアに設置。和式便器はすべて洋式に替え、みんなのトイレの左右に男女のトイレが配置された。

 同校では、みんなのトイレをきっかけに、性的少数者への配慮が必要なことも児童に伝えている。改修を担当した同町教育委員会の野村あゆみさんは「誰もが使えるトイレが当たり前の環境で過ごせば、社会にはいろんな人がいると認め合うことにつながる」と話す。

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 愛知県豊川市も一四年度から、既設トイレを改修し、環境の改善に取り組む。同市は、(1)多目的トイレが一階にある(2)出入り口に前室と呼ばれるスペースがある(3)床に水をまかずに掃除ができる−などの条件を満たしたトイレを「みんなのトイレ」と定義している。

トイレの出入り口には6種類のアイコンを表示。壁紙も明るいデザインに=愛知県豊川市の豊小学校で

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 同市豊小学校ではトイレの出入り口に、男女のほか、車いす利用者、高齢者など六種類のマークを表示したサインを掲示。廊下から入ると、どのトイレも自由に選べる設計になっている。西川真治校長は「誰もが安心して使えるトイレがあるように、みんなを受け入れるクラスにしようと児童に話している」と説明した。

◆洋式化など計画を、文科省が指針

 学校トイレの改修について文部科学省は今年三月、「洋式便器を採用するなど生活様式や児童のニーズ等を踏まえた便所」とするよう指針を示した。改修で環境が向上する効果として「トイレを我慢することが減り、学習に集中できる」などの調査結果も公表した。

 トイレ関連企業六社でつくる「学校のトイレ研究会」によると、一八年冬に全国の公立小中学校の教職員二百十四人を対象に行った調査で、「児童生徒のために施設改善が必要と思われる場所」はトイレが65%で最多。一五年調査の59%を上回り、改善ニーズは高まっている。

 性的少数者の児童生徒への対応の必要性については、回答した二百二十二人のうち、「必要」と「どちらかといえば必要」が84%を占めた。

 (福沢英里)

 

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