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教育

競技にからめ計算ドリル 五輪盛り上げ「算数」で

バスケットボールのシュートの成功率を計算する小学6年生=東京都府中市の府中第十小で

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 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの開幕まで、二十四日であと一年。学校では、大会組織委員会による盛り上げに向けた動きがスタートしている。その一つが算数の教材「東京2020算数ドリル」。東京を中心に全国の小学校に配布し、ドリルに登場する選手たちが学校を訪れる算数の授業「実践学習会」も今年、始まった。

 東京都府中市の小学校で六月にあった実践学習会。科目は算数で、割合を学ぶ授業だ。ただし、場所は教室ではなく、体育館だった。

 「今から四チームに分かれてバスケットボールのシュートの勝負をします。何本中何本入ったか、計算して成功した割合を出してください。小数点以下は四捨五入してね」。そう伝えられた六年生六十六人は次々にシュートを終え、輪になって計算に取り掛かった。

 体育館には、日本代表候補プロバスケ選手二人が来場。六年生の成功率一位のチームは、プロバスケ選手と対決する決勝戦へ。ここで六年生チームには、トヨタ自動車が開発した人工知能などを駆使するバスケットボールロボット「CUE3」が加わった。全五本のシュートを決めたCUE3の活躍もあり、成功率56%の六年生チームが25%のプロチームを下して優勝。盛り上がりの中、体育のような算数の授業が終わった。

 「算数ドリルに出てくる選手に会えてうれしかった」「いつもつまらなく感じる算数が、きょうはとても楽しかった」と、子どもたちは目を輝かせる。大会組織委員会は、こうした実践学習会を一九年に都内で計十五回開催する予定。今回が四回目で、過去三回は算数ドリルに登場するバレーボール選手とボッチャ選手が来場した。依頼があれば都外でも開催可能だ。

プロ選手のシュートを見守る小学生たちとロボットの「CUE3」(右端)=東京都府中市の府中第十小で

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 五輪に関する取り決めを定めた「五輪憲章」ではスポーツを文化・教育と融合させることを掲げている。算数ドリルを企画した組織委の天野春果エンゲージメント企画部長(47)は、以前に所属していたサッカーJ1の川崎で、教員と協力して選手が登場する算数ドリルを作った経験があり、数字とスポーツは相性がいいと感じていた。五輪でも、小学校のカリキュラムになじみやすいように普段から使っている算数ドリルで、大会への興味を促せると考えた。

 「競技を大会会場で見られる子どもは限られている。これからの日本を背負う子どもたちに、一つでも二つでも五輪の楽しい記憶を残すことが僕らの仕事」と天野さんは力を込める。

◆各地小学校で採用、配布

東京2020算数ドリルの内容

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 「東京2020算数ドリル」は六年生向けで、五輪編とパラリンピック編の二冊構成。「ウィルチェアーラグビーのある選手はコートの長さ28メートルを8秒で走ります。速さは秒速何メートルですか」といった問題で、算数を学習しながら競技についても学べる。

 都内の全公立小学校の約十万人のほか、山形、千葉、鹿児島の一部の小学校で採用が決定。静岡県は七月から全公立小学校の約三万二千人に順次配布する予定。

 組織委は五輪教育を実践する学校などを「ようい、ドン!スクール」として募集し、一日時点で全国一万七千校以上を認証した。東海四県では千七百四十校。五輪教材のダウンロードのほか、五輪のマークやマスコットを使用できる。

 (宮崎厚志)

 

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