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教育

減らそう「中1ギャップ」 進む小中連携活動

卒業を控えた6年生に道徳の出前講座をする愛知県あま市七宝北中の豊田久晴教諭=同市の秋竹小で

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 授業や行事を通じて連携する小中学校が増えている。児童らに学びが連続していることを気付いてもらい、中学校入学後に環境の変化に戸惑う「中1ギャップ」を減らすねらい。中学校でも4月から教科となる道徳では、「心の成長」を促す効果も期待されている。

 今月八日、愛知県あま市秋竹小学校六年一組を、市内の七宝北中学校の豊田久晴教諭が訪れ、道徳の授業をした。児童が話し合い、考えることが中心だ。

 寒そうに歩く女子高校生が描かれた新聞の全面広告を配った。広告にあった三行のせりふから、一行目の「よろしくね。」と、三行目の「わたし。」の間にどんな言葉が当てはまるのかを考えた。

 「あたらしい」と答えた班は「就職活動についての広告」と説明。「これからの」という言葉を考えた班は、元号が新しくなることから「新しい時代を表現した」。正解は「これまでの、」で、「受験生を応援する広告」とずばり当てた班もあった。

 豊田教諭は、「話し合いを通してさまざまな価値観に触れ、考える時間を大事にしてほしい」と呼び掛け、「私が担当する数学でも話し合いを大切にしています」と中学校の学びを紹介した。

 女子児童は「みんなで考え、楽しいだけで終わらず、心に響く言葉もあって中学校が楽しみ」とにっこり。秋竹小の安井明人校長は「中学の先生と顔を合わせるだけでも安心感につながると思う」と述べた。

 この授業は、七宝北中が学区内の二小学校に呼び掛け、卒業間近の三月に実施する出前講座。弁当の会食や合唱を聞き合う合唱交歓会など行事を通した交流にも力を入れ、六年生が入学前に中学校へ足を運ぶ機会を提供する。同中の中野義彦校長は「中学校生活への不安を和らげ、不登校の回避につなげたい」と話す。

      ◇

 小中学生合同で道徳の授業をしたのは、同県西尾市の寺津中学校。隣接する寺津小学校の卒業生が入学する一小一中の小規模な学区だ。

 「道徳は人づくりの土台」ととらえ、昨年九月、合同授業を実施。地元の寺津地区出身の語り部を招き、友達の万引を目撃したことを黙っているか、注意するか、どちらが本当の友達なのかを考え、発表し合った。

 昨年十一月の合唱コンクールは、小学六年生と一緒に歌おうと生徒会が中心に企画。当日は保護者や地域の人も一緒に「上を向いて歩こう」の合唱で盛り上がった。山崎章雄校長は「中学生の考え方を小学生が知ることで、あこがれを抱いたり視野が広がったりする。一方、中学生は困っている仲間を助けようとするなど、相手のことを考えた行動が増えた」と手応えを感じている。

 (福沢英里)

 <小中学校の連携> 学校教育法の改正で2016年度から、小中9年間の学びを一貫して行う義務教育学校や小中一貫型小、中学校の開設が可能になった。義務教育学校へ移行しないまでも、教員の乗り入れや高学年で教科担任制を導入するなど、連携に取り組む学校は全国的に増え、国も手引を作って後押ししている。

 

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