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教育

<春 スタートする君へ>(1) 漫画家 棚園正一さん

棚園正一さん

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 学校に行きたくないとか行くのが不安だとか、悩んでいる人もいるかもしれません。僕もそうでした。でも、悩み、考えて、試行錯誤する毎日がすごく大事で、意味があると伝えたい。

 僕は、小中学校に、ほとんど行けませんでした。「つらかったでしょう」と聞かれるが「そうだったのかな」という感じ。当時はつらかったのかもしれません。僕にとって学校に行けないことは、引け目、負い目を感じることでした。みんなが普通にできていることが、できない。それで、だんだん勉強とか遅れて、できないことが増えていく。でも、それがあったから漫画では負けないようにと思い、今の自分があります。

 引け目を感じたら、解決策は自分たちで探すしかない。親が一緒でもいい。僕が、不登校の子の親らへの講演会でいつも感じるのは、皆、バシッとした答えを探している。でも、そんな分かりやすい答えなんてない。安易な答えを得て悩まずに過ごしていくと、それこそ取り返しのつかないことになるのではと思う。

 答えは一人一人違う。結論は「学校に行かない」かもしれない。でも、学校に行けないことを、ああでもないこうでもないと考え、感じること自体が財産。不登校で苦しんでいる子の多くが、今の時間が無駄ではないかと思っているのでは。生きる意味がないんじゃないかと。それがつらいこと。無駄じゃないよと言いたい。失敗だらけでも無駄じゃない。そう心から言える自分になった。これが僕の財産です。

 (聞き手・佐橋大)

      ◇ 

 春、歩み出す小中高生らにメッセージをお届けします。

 <たなぞの・しょういち> 1982年生まれ。作品「学校へ行けない僕と9人の先生」(双葉社)を2015年に出版。各地で経験を話している。

 

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