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変わる児童会役員決め 選挙以外に互選や輪番も

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 小学校で子どもたちが話し合い、集会や委員会などを進めていく児童会活動。各校の特徴が出たり、主権者教育と関連したりで興味深い。その運営の要になる役員らの選び方は、最近必ずしも選挙とは限らないようだ。どんな事情があるのか。

 愛知県半田市の成岩小で十月にあった、年に一度の児童会役員選挙。六人(会長、副会長各一人、総務四人)の定員に二十六人が立候補した。

 役員は毎週、朝会の司会をし、月一回、四〜六年の学級委員らが児童会活動を話し合う場「児童議会」を運営する。投票や立候補は四年生以上に限られ、三年生は「オブザーバー」として参加。「選挙に早くから慣れ親しんでいることが積極的な立候補につながった」と高木勝弘校長はみる。

 正味六日の選挙運動期間中、児童たちは、給食の時間などに各クラスを回り、「明るく楽しく元気な学校にしたい」などと抱負を訴え、支持を求めた。立会演説会では、候補者が壇上に上がり、どんな児童会にしたいか考えを述べた。「候補者は考えをまとめて伝える。投票する人は、演説から誰を選ぶか考える。成人後の選挙につながっていけば」と高木校長は期待する。

 一方、同県北部のある小学校は選挙をしていない。五、六年生の各クラスで代表委員を男女一人ずつ選び、その中で議事進行や行事の運営の中心になる委員長、副委員長一人ずつを選ぶ。

 三十年以上前には選挙があったという。「平成の初めごろまでは近隣の小学校でも役員選挙をしていた」と教頭は話す。

 児童会活動は、学習指導要領で定める「特別活動」の時間で行う四つの活動の一つ=図。特別活動は、二〇〇一年度までは四〜六年で年七十こまあったが、週五日制の実施などに伴い〇二年度からは半減。「活動の時間が減り、児童数も減って、学級の代表と別に役員を選ぶ必要性が減った」と説明する教員もいる。自分の学級以外の候補者の訴えを吟味し、投票するのは小学生には難しいとの意見もある。

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 児童会の役員らをどう選んでいるかの調査はほとんどない。ただ、選挙をしない小学校は多く、その数も増えているとの報告はある。

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 六月に大阪市で開かれた日本特別活動学会のシンポジウムでは、大阪府で昭和五十年代ころまでは選挙があったが、安易な人気投票になるという理由で「消滅していった」と報告された。

 茨城県教育研修センターが一九九七年に同県内の小中学校を調べたところ、選挙で役員を選ぶ中学校の生徒会は94%だったのに対し、小学校では18%。学級への役員の割り当てが四割近くあり、特に役員を決めない学校も三割近くあった。

 現在の学習指導要領の解説書では、児童会役員について記述がない。同様の役割として、代表委員会の中に運営委員会を置き、代表委員が交代で担う方式を例示している。

 二〇二〇年度からの新学習指導要領の解説書では、「社会参画の態度を養う観点から児童会の役員等を児童の投票によって選出することも考えられる」と、新たに触れた。選挙は「選択肢の一つ」という位置付け。中学校でも、新たに「公正な選挙等」による選出が望まれると明記した。

 愛知教育大の京免徹雄講師は「選び方には、それぞれの学校のやり方があり、どれが優れているというものではない」と指摘。「児童が、どう活動するかが肝心。主権者教育の観点から言えば、皆で意見を出し合って議論し、活動内容などを決めていくプロセスが大事だ」と話す。

 (佐橋大)

 <児童会活動> 児童会は全児童が構成し、高学年が主に運営する。図書委員会などの各種委員会の活動や、学級代表などで構成する代表委員会の活動がある。役員や代表委員が中心になる活動は、児童会主催の集会の運営のほか、学校行事のスローガンの決定や、朝の会などの運営の一部を担うといった学校行事への協力など。

 

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