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高校生・大学生

これが私の生きる道 学生スタッフ経験者の今

 中日新聞の記事作りに携わる「学生スタッフ」。二〇〇一年度から募集が始まり、本年度は中部地方の大学生を中心に約七十人が登録している。かつて取材や記事の執筆を経験した元スタッフは今、どのような人生を送っているのだろうか。それぞれの道を歩んでいる三人を訪ねた。

◆愛知淑徳大→ケーブルテレビ局 高倉唯さん(31)

高倉唯さん

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 マスメディアに関心があり、学生スタッフに加え、民放テレビ局でアルバイトをしていました。就職活動でもマスメディアを中心に入社試験を受け、愛知、三重、岐阜の各県で放送を展開しているケーブルテレビ局に入社しました。

 取材したことを自分の言葉で伝えたいという思いが強く、今の仕事に魅力を感じています。アルバイトをしていた民放テレビ局は分業が進んでいましたが、今の会社では取材や撮影からキャスターの役割まで、何役もこなしています。

 さまざまな理由で、生きづらさを感じている人は少なくないと思います。でも世の中の仕組みが変われば、生きづらさがなくなるのではないか。そう考えて、学生スタッフの時に同性カップルを取材しました。

 入社後も外国人の子どもに対する日本語学習支援など、社会問題に引き続き関心を持っています。ただ、今は幼稚園や保育園、学校の行事をこまめに取材したり、地域のイベントも漏れのないよう回ったりして「街の普段の様子」を伝えるのが中心。地域住民の日常を記録するような仕事に、やりがいを感じています。(2009〜10年度に活動)

◆鳥羽商船高専→ベンチャー企業 堀口駿さん(22)

堀口駿さん

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 十月から徳島市の企業で働き始めました。高専で客船や輸送船の乗組員になるための乗船実習があったので、九月に卒業したばかりです。

 船乗りになるための勉強をしましたが、就職したのはタクシーを配車するシステム開発や配車代行を手掛ける企業でした。過疎地でタクシーは住民の大切な「足」。一方、タクシー会社の働き手不足も深刻で、夜間に社長自らが配車の電話番をすることもあります。

 そんな地方のタクシー会社を支えながら、自分たちも収益を得るビジネスモデルを模索する毎日です。

 高専の同級生の多くは海運会社などに勤めています。例えば船に三カ月間乗って働き、一カ月休むという勤務。「自分には合っていないかも」と感じ、インターンシップ(就業体験)などを通じて今の会社に決めました。設立から四年に満たないベンチャー企業で、「今はまだ小さな会社で安定はしていないけど、これから大きくしてやるぞ」とわくわくしています。

 学生スタッフでは、ロシア文学者で名古屋外国語大の亀山郁夫学長など、知らない分野で活躍する人を取材できました。関わりのない世界に足を踏み入れるのは刺激的。就職先もそうして選びました。時間に余裕のある学生の間は、興味のないことにも挑戦してほしいと思います。(二〇一八年度に活動)

◆愛知県立大→百貨店 加藤夏希さん(28)

加藤夏希さん

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 大学卒業後は名古屋市内の百貨店に就職し、期間限定ショップの企画やバッグの販売などをしています。

 大学は中国学科で学び、中国北部のハルビンに二年間、留学しました。「中国語を生かせる仕事をしたい」と外国人も多く訪れる百貨店を志しました。中国学科を選んだ理由は「漢字文化だから取っ付きやすいだろう」という程度。本格的にはまったのは、一年生の時に学生スタッフと参加した上海万博ツアーがきっかけでした。

 仲間が財布をなくすなどトラブルが続く中、現地の人は拙い中国語に熱心に耳を傾けて助けてくれました。一方、万博会場で並んでいた列に平気で割り込みをしてくるなど、感覚や行動の違いに驚きましたね。

 学生スタッフ時代も、中国に関わる取材に参加。印象的なのは、中国人女性との結婚生活を題材に「中国嫁日記」を描いた漫画家の井上純一さんです。前年に起きた尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁の巡視船の衝突事件を受け、日中関係が微妙な時期。共通点の少ない暮らしにも、「違いが面白い」と話す井上さんの笑顔が記憶に残っています。

 「違いを認め合うことが大切だ」と思ったことは普段の暮らしに生きています。楽しく過ごすため、考えや習慣を他人に押しつけないようにしています。(二〇一〇〜一二年度に活動)

 (諏訪慧)

 

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