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高校生・大学生

<by学生スタッフ> 18歳選挙権、初の統一地方選

西野偉彦さん

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 きょう七日と二十一日は、十八歳選挙権が導入され、初めての統一地方選の投開票日。七月には参院選もあるが、「公約を読んでもイマイチ誰に投票すればいいのかわからない」という学生スタッフも。若者の政治参加に関わってきた慶応大SFC研究所上席所員の西野偉彦(たけひこ)さん(34)に、選挙の意義や投票する上でのヒントなどを教えてもらった。

 選挙のたびに耳にする「投票率の低さ」。総務省の調査によると、前回二〇一五年の統一地方選は、市区町村長選が50・02%で、知事や地方議員を選ぶ選挙はいずれも50%以下。一七年の衆院選は戦後二番目に低い53・68%だった。

 「投票に行かない理由は世代ごとに違います」と西野さん。二十〜三十代で多いのは「選挙にあまり関心がなかったから」。四十〜五十代は「仕事があったから」。六十歳以上は「(衆院選の)解散の理由に納得がいかなかったから」と言い、「へえ」とスタッフから驚きの声があがった。

 このため投票を促す対策は年代別に考えた方が良い。若者には、投票した証明を見せると地域でサービスを受けられる「選挙割」や、大学内に期日前投票所を設けることが有効という。

 気になる十代の投票率はどうか。若い世代の声を政治に反映させようと、一六年から十八歳選挙権が始まった。十八、十九歳の有権者数は約二百四十万人。一七年の衆院選では十八歳が47・87%。十九歳はさらに下がり、33・25%だった。

 私たち若者が選挙に行かないと、どんな良くないことがあるのだろう。西野さんは「シルバーデモクラシー」という言葉を紹介。少子高齢化で高齢者は人口も多い上、投票率も高く、意見や要望が、政治に反映されやすいという意味だ。一七年の衆院選で六十代の投票率は、二十代より40%も高かった。西野さんは「若者が投票に行かないと、若者のための政策はどんどん後回しになる」。若者が投票に行くようにするには、国や社会の問題を身近に捉え、自ら考え、行動していく力を身につける主権者教育に早くから取り組むことも大切と語った。

 では、どんな基準で誰に投票すればいいのか。学生スタッフは、西野さんが考案した独自のプログラム「マイ争点」に挑戦。統一地方選を念頭に用意してもらった「目指す四つの都市像」から最も大切と思う施策を選び、具体策と理由を考え、さらに実現する上での問題点と解決策を考えた。

西野さんの講演を聴き、マイ争点に挑戦する学生スタッフ=中日新聞社で

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 「災害に強く安全に暮らせる町がいいけれど、自分の地域は財政が豊かでないので、お金のかからない政策にしないと」と男子スタッフ。留学経験のある女子スタッフは「日本は子どもや親が集う場所が少ない。公園にもっと日陰や休憩スペースをつくって居心地良くし、人と人とのつながりができれば、町の防災や魅力にもつながる」とも。

 「教育や福祉など自分が重視するテーマでマイ争点を持てたら、近い内容の公約を掲げる人に投票するといいですね」と西野さん。

 男子スタッフが「自分の意見と合う公約の候補者がいない時は?」と尋ねると、「政策だけでなく、大きな方向性や価値観を見るのもいい。自分で考えてもわからないことは、候補者が演説している時に直接話してみては。くれぐれも選挙ポスターだけで候補者を選ばないように」と答え、笑いが起こった。

 暮らす町や日本の今後を一人一人の一票で変える選挙。「最適な投票先を決めるためにも普段からメディアなどでさまざまな視点や意見を知り、自分自身が社会とどう関わっていくかを考えていくことが大切」との助言もくれた。

 (愛知淑徳大四年・宮沢和枝、中京大二年・安田悠里子)

 <にしの・たけひこ> 1984年、東京都生まれ。慶応大大学院政策・メディア研究科修士課程修了。松下政経塾出身。専門は18歳選挙権・主権者教育。神奈川、愛知県など全国の自治体で主権者教育を推進。

◆自分たちで変えたい 南山大3年・榊原悠太

 選挙への向き合い方次第で、自分が望む社会に近づけられる意思表示の場になると思えるようになった。政治をつまらないと言う前に自分たちで変えたい。

◆新たな見方ができた 名城大3年・小島大世

 政策に興味を持てなかったが、マイ争点を考えるのは面白く、新たな見方ができるようになったと思う。政党だけでなく、立候補者の考えもよく見て選びたい。

◆幼少からの教育大切 椙山女学園大1年・黒田桃花

 若者が政治に参加するには、幼少期からの教育で自分の考えを持ち、発表していく力が大切だと思った。

◆もっと授業で扱って 名城大2年・岡田彩花

 日本の若い世代は世界と比べても政治への関心が低いと知った。もっと授業で扱ってほしい。候補者と交流する機会があれば政治に関心が持てると思った。

◆市長らと交流したい 時習館高3年・市川慎太郎

 若者の政治参加が大事と分かった。自分の住む地方で市長や市議と交流したいと思った。

◆国民の意思示す機会 中京大2年・安田悠里子

 国民の意思表示ができる選挙。有権者の半分の意思で日本社会が回って良いのだろうか。さらに投票率が下がれば、一部の意思だけで回ることになりかねない。

◆候補者見つけやすく 愛知淑徳大4年・宮沢和枝

 「マイ争点」で考えが整理され明確になり、自分と似た考えの候補者を見つけやすくなると感じた。高校では主権者教育がなく、その頃に話を聞きたかった。

◆独は主権者教育盛ん 三重大2年・西尾七海

 ドイツは主権者教育が盛んで、その根底には、ヒトラーによる独裁政治を反省する国民の「心」があると教えてもらい納得した。

◆若者も投票する必要 愛知大2年・冨田真穂

 誰に投票したら良いか分からなかったが、若者が選挙に参加できていないことに気付いた。投票に行かないと、さらに若者の意見が全体に届かなくなる。

◆地方選は生活に直結 愛知教育大3年・新海亮太

 地方選は自分たちの暮らしに直結すると分かった。選挙権年齢が下がり戸惑う声が多いが、海外では若者の政治参加が進んでいると自覚しないといけない。

 

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