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高校生・大学生

注目集める「通信制」 声優やダンスの特化コース

1年間を振り返る通学コースの生徒。自由な雰囲気の中、それぞれのペースで課題を進める=名古屋市中区のN高名古屋キャンパスで

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 年間の授業スケジュールが決まっている全日制や定時制と異なり、インターネットなどの通信環境があれば、時間や場所を選ばずに勉強できる通信制高校。通学日数や学習のペース、内容も選ぶことができるため、「自分に合った」学校生活を送る選択肢の一つとして存在感を増している。

 「『本当に通信でいいの?』と心配されました」。広域通信制高校のN高校二年の渡辺舞香さん(16)は中学卒業後の進路を決めた際の周りの反応を振り返る。同高はネットコースと通学コースがあり、通学の生徒は週一、三、五日の中から登校日数を選べる。渡辺さんは週三日、名古屋キャンパスに通い、学校のない日はプロの写真家として活動する。「やりたいことに向かっていける学校」と胸を張る。

 必修の授業のほか、興味があれば「文芸小説創作」や音声合成技術「ボーカロイド」などの授業や、体験プログラムを自由に取ることができるのも特徴の一つ。広報の鎌田智美さん(29)は「生徒が興味を持っている分野を掘り下げて社会で役立つ武器にしてほしい。一人一人に合った教育を提供したい」と狙いを話す。

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 学校基本調査によると、二〇一八年度の通信制の生徒数は十八万六千五百人で高校生の約5%。〇〇年度に百十三校だった学校数は、一八年度、二百五十二校に。うち私立は四十四校から百七十四校に増加。生徒数も、公立が減少を続ける一方、私立は右肩上がりを続ける。

 差別化を図り、語学や芸術、情報技術などに特化したコースを設ける学校も目立つ。名古屋市中村区にある愛知芸術高等専修学校(北海道芸術高の通信制と併修)は漫画や美容師、ダンスなど、全日制でも学べる場が少ないコースを設ける。一年の藤井亜虹さん(16)は「ダンスのレベルが高いので選んだ。通信制って不登校のイメージがあったけど、全く気にならない」。井釜和宏教諭(31)は「中学時代に不登校だったという理由で来る子も多いが、最近はビジョンを持って入ってくる子が増えてきた」と変化を実感する。

 全国で最も生徒数の多いクラーク記念国際高校は、英語に特化した通学コースのインターナショナルコースを名古屋キャンパスなどに設置。二年の奥谷洋希さん(17)は「中学時代は全然英語ができなかったけど、留学ができる高校に行きたかった」と決め手を話す。

 通信制の進学ガイドブックなどを作る出版社「学びリンク」の山口教雄社長(61)は「通信制は、インターネットの普及などで存在を知られるようになり、『自分に合っているんじゃないか』と思う人が増えてきたのでは」と分析する。「高卒のための手段と考えられてきたが、『学びたいことがある』などの積極的な理由で選ぶ人が出てきた。中学卒業後の進学先の一つとして認識されつつある」

 (大沢悠)

 <通信制高校> 1947年、学校教育法が制定され「全日制・定時制の高校に通学することができない青少年に対して、通信の方法により高校教育を受ける機会を与える」ために課程が設けられた。広域と狭域があり、広域は3都道府県以上にまたがるエリアの生徒を募集。卒業要件は、在籍期間が3年以上、取得単位が74単位以上、30時間以上の特別活動の参加の三つ。全日制、定時制は必修科目の単位を学校の授業を受けて取るが、通信制はネット授業などで取得できる。私立は8割以上が通学コースを設けており、必修科目以外に重点を置いた時間割を組む学校が多い。

 

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