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高校生・大学生

技術の高専に英語力を 「グローバルエンジニア」進む育成

国際セミナーで英語を使い研究発表する岐阜高専の学生=岐阜市の長良川国際会議場で(同校提供)

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 企業を支えるエンジニアを輩出する高等専門学校(高専)に国際化の波が及んでいる。国立高専の設置・運営を担当する国立高等専門学校機構(東京)は、各地に「グローバル高専」を設け、世界で活躍できる「グローバルエンジニア」を育てる環境づくりに腐心する。

 会場の大型スクリーンに英語のタイトルが浮かぶ。「Study on Computational Fluid Dynamics Based on Deep Learning(深層学習に基づいた数値流体力学の研究)」。先月中旬、岐阜工業高等専門学校(岐阜高専、岐阜県本巣市)が岐阜市内で開いた国際セミナー。同高専の専攻科の学生らが、フランスやベトナムなどの大学の研究者に交ざり、英語で研究発表した。

 機構は二〇一四年度から、国際社会で活躍できる人材を育てようと「グローバル高専事業」を展開、英語教育などに力をいれる「グローバル高専」を指定している。現在九校あり、うち福島(福島県)や岐阜などの五校は、全国五つのエリアの拠点校として中核的な役割を担う。今回の国際セミナーも事業の一つだ。

 文部科学省は一四年度から予算化し、一八年度は三・五億円。同省の担当者は「技術力はあるが英語を使ったコミュニケーション能力が課題だという企業からの声があった」と背景を説明する。

 指定校は独自の取り組みに頭をひねる。先駆けとなった茨城(茨城県)では、生物や地学などの科学分野の授業を英語で行う。明石(兵庫県)では、台湾やフィリピンからの留学生と日本人の学生がともに授業を受ける。英語能力の明確な目標はないが「海外で仕事をする際に現地の技術部門を管理できるレベル」を目安にする。

 岐阜高専は一八年度から、より実践的なプログラムを加えた。三十六人が昨年九月、十一日間渡米し、航空宇宙機器開発のボーイング社や、ソフトウエア開発のマイクロソフト社で働くエンジニアと意見を交わした。学生は、ボーイング社に勤めていると仮定し、自分たちが学んでいる分野から「技術革新にどう貢献できるか」を考え、英語で発表する機会もあった。

 研修後は「アメリカの働き方が分かり、将来の自分の働き方について考えることができた」「今後何をすべきか明確化できた」などの感想が寄せられた。英語の学習意欲も九割以上が高まった。伊藤義人校長(66)は「学生時代に世界の企業で働く技術者と交流することで、グローバルエンジニアとして視野を広げることができる」と効果を語る。

 事業は一八年度で一度終了する。機構は一定の人材育成の体制ができたと手応えを感じる一方、指定校以外への広がりが不十分で、英語で授業する教員も足りないなど、課題を挙げる。

 谷口功理事長(71)は「この五年間は国際化のスタート。世の中を動かしていける人材を育てられるよう高専教育の国際化をより進めていきたい」と力を込める。

 (大沢悠)

 <高等専門学校> 実践的・創造的な技術者を育てるための高等教育機関。中学卒業後に受験をして進学する。5年制で、卒業後に2年間の専攻科への進学や、大学に編入することができる。1962年度に初めて北海道函館市や三重県鈴鹿市などに12校が設置。現在、国公私立合わせて57校(うち51校が国立)で約6万人が学ぶ。

◆高校生スタッフ募集

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