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高校生・大学生

英語民間試験スコア使える? 受験生「早く情報を」

英語の民間試験の活用方針について会見する福田裕穂・東京大副学長(左)ら=東京都文京区の東京大で

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 二〇二〇年度の大学入試改革で、英語は従来のマークシート型の試験に加え、英検(新方式)やGTECといった民間の検定試験の成績が使われる。新制度への課題も指摘される中、東京大が先月、出願要件として使うという基本方針を発表。各大学も最終決定を急ぐ。実施は二年三カ月後。受験生らは一刻も早い情報提供を求めている。

 二〇年度の大学入試で英語の民間試験を使うのか。九月下旬、慎重な姿勢を示していた東京大が会見、一転して出願要件として認める基本方針を発表した。

 「現時点でいくつかの問題は残るものの一手段として使えると考えた。四技能の英語力の評価を大学入試に活用するというドアを東大として開いた」。約六十人の報道陣を前に、福田裕穂副学長は力を込めた。

 大学入学共通テストでは、「読む・聞く・書く・話す」の四技能を測る八種類の民間試験の成績が活用できるようになる。高校三年生は原則、四〜十二月に受験した二回までの試験が対象。複数の試験の成績を比べるため、語学力の国際標準規格「CEFR(セファール)」に基づいて評価する=表。

 国立大学協会は、二三年度までは全国立大の受験生にマーク式と民間試験の両方を課すと決めた。六月には民間試験について、(1)CEFRの六段階評価のA2以上の成績を出願資格とする(2)配点が全体の二割以上になるよう六段階評価に基づいて点数化して加点する(3)併用−との活用例を明示。A2は英検の準二級〜二級に相当し、国が、高校卒業時にA2相当以上に達する高校生を半数以上にすると目標にしたレベルだ。

 一方、東大はこれまで、英語が苦手な受験生が排除される可能性のほか、受験機会や経済環境の格差による公平性や公正性の問題を指摘し、民間試験の成績を入試で活用しない案を示すなど、慎重な姿勢を打ち出してきた。

 しかし今回発表した方針では、CEFRのA2以上の成績提出か、トラブルが起きたときなどに備え、高校の調査書などで同等以上の英語力を証明することなどを出願要件とした。文部科学省側が、新制度でミスやトラブルが起きたときには行政的な責任を持ち、今後も高校や大学、試験実施団体と意見交換するよう検討すると示したからという。

 他大学への影響は大きい。ある国立大の入試関係者は「東大の発表を待っていた。今回の方針も踏まえて決めたい」と明かす。地方の国立大の担当者は「東大はA2で切れるが、うちの大学では受験できない学生が出てくる」と否定的な考え。別の大学の担当者は「方針転換は驚いた。英語力を調査書で証明する件は、高校側に責任を投げることになり心配」と話した。

 二〇年度の入試を受ける高校一年生を抱える現場は困惑している。愛知県内の高校の教頭は「生徒の将来を考えると民間試験の対策をせざるをえないが、活用法を示していない大学が多く困っている」。進学校に通う高一の女子生徒も訴える。「英語が苦手なので早めに対策をとりたいのに、活用法も含め入試情報を出すのが遅すぎる。早く決めて教えてほしい」

◆愛教大、名工大は加点方式

 東海地方では、愛知教育大と名古屋工業大は7月に加点方式の採用を発表した。「高校現場の声も受けて決めた」と愛教大の担当者。名工大の学長特別補佐は「民間試験を活用する制度が成熟しておらず、受験生の合否にあまり影響しない形で加点したい」。豊橋技術科学大も加点方式に決め、月内に発表する。

 三重大は「CEFRによる対照表や、内容や目的が異なる英語の民間試験を入試に使うことに対して学内で慎重な意見がある」と検討中だが、月内に公表予定。名古屋大の入試改革に関わる担当者は「できれば年内、遅くとも年明けには発表したい」。岐阜大や静岡大も検討中という。

 中部地方の国立大が夏に高校に実施したアンケートで、CEFRのレベルに関係なく出願資格とすることを望む声が約4割、A1かA2以上での出願資格化が約2割、加点方式が約4割だった。

 (芦原千晶)

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