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高校生・大学生

海外大学進学に熱視線 国際的な人材目指す

海外大での授業や寮生活を語る河本さん(左)と小杉さん=東京都新宿区で

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 米国を中心に海外の大学への進学が注目を集めている。背景には、日本とは異なる文化でも活躍できる「グローバル人材」を求める社会的な動きや、自由な学びができる「リベラルアーツ」など個人に合った勉強ができる魅力がある。

 「みんなモチベーションが高い。何かを成し遂げたいという人が多い」。東京都内で八月下旬に開かれた「海外大合格のためのスタートイベント」。ゲストとして招かれた米国の有名私立大ノースウエスタン大二年の小杉明日香さん(19)は、熱気あふれる学生生活の様子を伝えた。米国リベラルアーツカレッジの名門校ウェズリアン大二年の河本理帆さん(20)も「国内生も寮に住み、密な大学コミュニティーがある。みんな勉強に対する意識が高い」。

 イベントは、大手予備校河合塾と、海外大進学の民間指導機関「AGOS JAPAN」が協力し開催。海外大への進学熱の高まりを受け、同塾が今年から始めた海外大進学のプログラムに関連して行った。この日は中高生の親子十人ほどが集まり、進学の準備や苦労、専攻の選び方などを聞いた。

 進学先として人気の高い米国の大学には、専門性を高めるために大学院を備えた総合大と、理系文系共に幅広い学問を少人数で学ぶリベラルアーツカレッジがある。どちらも日本の大学と異なり、入学までに学部を決める必要はなく、興味のある授業を取る中で専攻を決めていく。河本さんは「授業では発言する量が求められる。話したいことを考える中で、自分はこの分野に興味がある、ないが分かる」と言う。

 参加した関西の中高一貫校に通う中三男子(15)は「日本の大学にはない面白さがあると思う」。都立国際高校一年の佐々木悠翔さん(16)は「今は文系か理系か分からないので大学に入って興味があることを見極めたい」と話した。

◆高額な費用 奨学金充実が課題

 河合塾の調査によると、海外難関大への合格者数は、調査を始めた二〇一二年から徐々に増加。英教育専門誌が発表する世界大学ランキングの上位大学への合格者数は一八年度、三百人ほどという。三カ月以上の短期留学をする高校生も増加傾向で、文部科学省によると〇八年度の三千二百八人から一五年度は四千百九十七人に。河合塾の海外大進学推進担当、坂向知己さんは「短期留学者の一部が海外進学者層になる」と推測。教育ジャーナリストの安田賢治さん(62)は「進学校でも説明会を開くなど力を入れている」と話す。

 国も後押しする。一二年、文科相や外務相らでつくる「グローバル人材育成推進会議」が人材育成戦略として「語学力・コミュニケーション能力」「主体性・積極性、チャレンジ精神」「異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー」が必要と指摘。国際的な大学入学資格(国際バカロレア資格)が取れる高校を増やすことや大学の秋入学導入を提言した。

 課題は費用だ。米国の場合、同国の高等教育等支援団体の調査で、食費や交通費など含め平均して年間に、公立大で約四百六十万円、私立大で約五百七十万円。日本学生支援機構は一七年度、海外大進学者へ向けた給付型の奨学金制度を初めて設けた。年二百五十万円を上限に授業料の実費額と、月五万九千円〜十一万八千円を支給。一八年度は百十人が応募し、うち米国やカナダ、英国などの大学へ進学した四十五人を採用した。同機構のホームページで他の奨学金も紹介しているが、貸与型が多い。「奨学金制度が一層整えば行きたい人はさらに増えるのではないか」(安田さん)

 「海外の大学ではアイデアが求められる。クリエーティブな学びができる」と小杉さん。坂向さんは「世界の秀英が集い国際的なネットワークが得られるのもメリット」と話した。

◆進学までのスケジュール

 米国の場合、早期出願と通常出願がある。早期の場合、11月に入学申請を締め切り、12〜2月に合否が判明する。通常出願は1月に申請を締め切り、3〜4月に合否が分かる。小論文など必要な提出資料と合わせ、TOEFLなどの点数も入学審査の対象になる。

 (大沢悠)

 

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