トップ > 特集・連載 > 滋賀・呼吸器事件 > 記事

ここから本文

滋賀・呼吸器事件

「たん詰まり心停止」可能性 医師の指摘を検察開示

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で二〇〇三年、入院患者の男性=当時(72)=の呼吸器を外して殺害したとして、元看護助手の西山美香さん(39)=同県彦根市=が殺人罪で十二年間服役した後、再審が決まった「呼吸器事件」で、男性の死因について、事件翌年の〇四年に、遺体を鑑定した医師が「たんの詰まりにより心臓停止した」と他殺ではない可能性を指摘していた捜査報告書が、検察側から証拠開示されていたことが関係者への取材で分かった。

 捜査報告書は、これまで確定審などで出てこなかった新証拠で、弁護団は今後の再審公判に向けて新証拠として請求する方針。弁護団の関係者は取材に対して「県警や検察側が捜査段階でこの報告書をよく検討していれば、西山さんの冤罪(えんざい)は生まれなかったのではないか」と問題視している。

 関係者によると、捜査報告書は県警の刑事名で、同年三月二日付で作成されたもの。医師の所見として、死因は「(呼吸器の)管の外れのほか、管内でのたんの詰まりにより、酸素供給低下状態で心臓停止したことも十分考えられる」と指摘していた。

 県警は事件直後、当初は業務上過失致死事件として捜査。県警の追及に対して西山さんは、同年七月に「呼吸器を外した」と殺害を自白し、逮捕されたが、公判では一貫して否認していた。捜査側は自白の四カ月前に「呼吸器外し」以外が死因である可能性について、専門家の所見を得ていたことになる。

 捜査報告書は、検察側が今年十月三十一日付で任意に開示した証拠品五十八点に含まれていた。

 事件を巡っては、大阪高裁が一七年、西山さんの自白の信用性を否定し、男性が「自然死した可能性がある」として再審開始を決定。ことし三月に最高裁で確定していた。検察側は再審公判で事実上、有罪立証を断念する方針を示しており、西山さんの無罪は確実な状況。

 

この記事を印刷する

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索