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滋賀・呼吸器事件 再審確定

呼吸器事件の再審確定 元看護助手無罪の公算大 最高裁

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で二〇〇三年、男性患者=当時(72)=の人工呼吸器のチューブを抜いて殺害したとして、殺人罪で懲役十二年が確定し、服役した元看護助手西山美香さん(39)=同県彦根市=が申し立てた再審請求で、最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)は、裁判のやり直しを認める決定をした。十八日付で検察の特別抗告を棄却した。事件発生から十六年を経て再審開始が確定した。裁判官全員一致の結論。

 再審請求では、患者の死因と自白の信用性が争点だった。大阪高裁は、患者が自然死した疑いがあると指摘した上で、自白は警官らによる誘導があった可能性があるとして、再審を認め、これを最高裁も支持した。大津地裁でやり直される公判で無罪となる公算が大きい。

 患者の死因を巡っては、確定判決では遺体を解剖した医師の鑑定によって、窒息死と認定していた。再審請求審で大阪高裁は、確定判決が患者の異常発見時に人工呼吸器のチューブがつながっていたと認定しているのに対して、医師の鑑定書が警官から事前に得ていた誤った情報を基に、チューブが外れていたという前提に立って、作成されていると指摘。死因は解剖所見のみからでは分からず、自然死の可能性を排除できないとしていた。自白の信用性についても、「犯人と認めるには合理的な疑いが残る」と結論付けていた。

 事件では、県警は当初、呼吸器が外れた際のアラーム音を聞き逃したとする業務上過失致死容疑で捜査していた。西山さんは任意聴取を受けていた際に殺害を自白し、〇四年七月に逮捕された。公判で否認に転じ、自白の理由を「取り調べがきつくなり、同僚看護師をかばおうとした。刑事に好意を持った」などと訴えたが、〇五年十一月に大津地裁は懲役十二年を言い渡し、最高裁で確定した。

 殺人事件で再審が確定するのは、熊本県松橋町(現宇城市)で男性が刺殺された「松橋事件」の再審が昨年十月に確定して以来。

 <滋賀の呼吸器事件> 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年5月22日、入院中の72歳の男性が死亡しているのを看護師が見つけた。県警は04年7月、病室を巡回中に人工呼吸器を外して殺害したと自白した看護助手西山美香さんを殺人容疑で逮捕。西山さんは公判で無罪を主張したが、一審大津地裁で懲役12年の判決を受けた。07年6月に最高裁で確定し、服役。17年8月に刑期を終えて出所した。

 

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