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舌はないけど

(41)病院で写真展 医療者と患者 一緒に

 昨年末、愛知県がんセンターで開かれた「ラベンダーリング写真展@名古屋」。すてきな笑顔の患者さんたちの写真ポスター約二百枚が展示される中、ボランティアスタッフとして毎日参加し、たくさんの方とお話をさせていただきました。

愛知県がんセンターでのラベンダーリング。すてきな空間でした

写真

 診察の待ち時間に立ち寄ってくださった方、入院中の患者さん、新聞やテレビのニュースで知った方、がんセンターの事務職員や看護師さん。中には「友達の写真があるから見に来ました」とおっしゃる方も。熱心に見ている方に声をかけると、ご自身の闘病体験を涙ながらに話してくださり、患者仲間のスタッフとともに聞き入ったこともありました。私の連載記事を切り抜いて持参された方、本を持って来られた方もあり、気軽に声をかけていただき、とてもうれしかったです。

 これまで東京や大阪で行われていた写真展ですが、病院での開催は初めて。私は名古屋でやるなら、愛知県がんセンターでと思い、一年以上前から仲間とともに準備してきました。この写真展が、入院中の患者さんやご家族にきっと力を分けてくれるだろうと思ったからです。私自身、七カ月の入院生活の間、懸命にリハビリに取り組みましたが、なかなか退院のめども立たず、本当に職場復帰できるのだろうか、退院してもちゃんと生活できるのだろうか、と不安でした。そんな時に、がんになっても笑ったっていい、おしゃれしてもいいというメッセージは、かけがえのないものです。

 今回の写真展を主催したNPO法人愛知キャンサーネットワークの理事長・室圭先生(愛知県がんセンター副院長兼薬物療法部長)は、新聞の取材にこんなふうに答えていました。

 「私たちは、治療や副作用でつらい状況の患者さんと向き合っているが、本当はその患者さんにもこういった笑顔の時間がある。治療の先の生活がある。それを忘れずに治療に向かうことが大切。だから、この写真展は医療者である私たちが見るべきだ。病院で開催することに大きな意味がある」

 胸が熱くなりました。他の医療者の方々も、患者たちと一緒にイベントを運営する楽しさ、やりがいを語ってくれました。

 次回は、患者のメーキャップや写真撮影も含めた本格的なラベンダーリングにしたい。そのためにも、今年も元気で頑張らなきゃ、と心から思いました。(荒井里奈)

 

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