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舌はないけど

(39)命輝くポスター 迷いなく笑顔になれた

ラベンダーリングで、2年前に撮っていただいたポスターと再会=今年8月、東京都内で

写真

 今日から、名古屋市千種区の愛知県がんセンター一階で、がん患者たちの「ラベンダーリング写真展@名古屋」が始まります。私も運営スタッフの一人です。二十二日まで、約二百枚の笑顔が「命の輝き」を伝えます。

 正式には「ラベンダーリングMAKEUP&PHOTOS WITH SMILES」といい、電通と資生堂の有志が二〇一七年に始めた活動です。がんサバイバー(患者・経験者)がモデルになり資生堂と電通のプロのスタッフが、その場で美しいポスターに仕上げてくれるのです。そのポスターには、自分が大切にしている言葉も入れていただきます。

 私は、あごに手術痕があり、顔にも腫れが残り、以前の自分とは変わってしまった容姿に、ずっと不本意な思いを抱えていました。写真を撮られるときは、意識的に顔の腫れやあごを隠すようにしていました。今の私がカメラの前で迷いなく笑えるようになったのは、二年前に参加したラベンダーリングのおかげです。

 ふだんとは違ったヘアスタイルや鮮やかなメークに、気持ちが明るくなったところを、たくさんの女優さんを撮影してきたカメラマンの金沢正人さんに、いろんなポーズで撮っていただきました。「かわいい!」という言葉を一生分いただきながら。

 できあがった写真には、思い切りあごを上げ、口を開けて笑っている自分が写っていました。驚くほど明るい表情でした。メークや撮影の間、声をかけてくれたサバイバー仲間も、ポスターの出来栄えを褒めてくれました。この体験をきっかけに、どんなときにも思い切り笑えるようになりました。

 ラベンダーリングが始まったきっかけは、電通社員の月村寛之さんが、がんを発病した部下の相談を受けて、仕事と治療の両立ができるよう配慮し「FIGHT TOGETHER(共に闘おう)」というステッカーを作って協力の輪を広げたこと。そこから「がんになっても笑顔でいられる社会づくり」の活動が始まりました。

 治療によって自信をなくしたり、落ち込んだりしている人たちを勇気づけるこの活動を応援しています。今回の名古屋展はポスター展示のみですが、来年は撮影会も兼ねたイベントにしたいと思っています。ぜひ見にきてください。私が会場にいたら声をかけてくださいね。(荒井里奈)

 

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