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【元記者の心身カルテ46】PMSを知っていますか 小出将則

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 産婦人科病院内の心療内科での勤務が最も長く、専門は女性の心身症だ。特に、生理前にさまざまな心と体の症状が出る月経前症候群(PMS)やその重症型の月経前不快気分障害(PMDD)は千人を超える患者と出会ってきた。

 三十代主婦。産後、生理前の気分の浮き沈みが悪化した。産婦人科でPMSと言われ低用量ピルを処方されたが、倦怠(けんたい)感が強く、数カ月前に来院。家事と育児をする気になれず、リストカットまでしたためPMDDと診断した。夫婦関係の悩みを聴き、血の巡りを良くする漢方と生理前のむくみに効く利尿剤、気分の調整に抗うつ薬を処方したら症状はなくなった。

 女性の二割から半数がPMS、数%がPMDDとの報告があり、当院では母子、姉妹で通う例もある。原因にはいくつも仮説があるが、神経伝達物質セロトニンの働きが低下するとの説が代表的だ。

 うつ病を合併すると回復に時間がかかる。四十代の会社員は離婚を機に生理前の不安が強まり、取り乱すように。生理が始まると落ち着くものの、気分の落ち込みは続く。五年前から通院しているが「周りがわがままとしてしか見てくれないことがつらい」と嘆く。

 PMS・PMDD治療の課題は産婦人科と精神科の連携ができていない点。患者を譲り合っているのが現状だ。両科の協力の必要性を痛感している。 (心療内科医 小出将則)

 

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