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【元記者の心身カルテ35】 パチンコ依存は治せる

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 謹賀新年。おとそ気分の抜け切らない七草がゆの日に取り上げるのはギャンブル依存症。

 アルコールなどの刺激を与えられると、脳には快感という「報酬」が生まれる。大きな役割を果たすのが、脳内にある報酬系と呼ばれる回路だ。ギャンブルも同じ仕組み。より多い「報酬」を求めて生活を犠牲にする人も。ギャンブル依存症は精神疾患の一つで、治療の保険適用も検討されている。

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備に伴い、患者の増加が懸念されるが、今、現実に問題となっているのは、利用者の多いパチンコ。自閉症の子を育てる四十代主婦は、ストレス解消にとのめり込み、借金を重ねた。精神科に入院しても改善せず、四年前に当院へ。脳に働き掛ける自己訓練法でしばらくは落ち着いた。

 ところが二年後に再発。「やってる時は嫌なことを忘れるけど、二週間で三十万円負けた」。働いても、稼ぎは台の奥に消えた。試したのが条件反射制御法だ。拳を握り、「私は今、パチンコをできない」と何回も唱える。勝ち負けのないパチンコゲームで「報酬」が得られない体験をする。過去の行動を思い出して作文をする−。こうした一連の行動を繰り返すことで脳をリセットするのだ。

 依存は治せないという噂(うわさ)を信じちゃいけない。山本リンダの歌のような、どうにも止まらない状態から抜け出すんだ。 (心療内科医 小出将則)

 

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