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【元記者の心身カルテ34】「クリぼっち」守る産業医

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 広告会社電通の新入社員高橋まつりさん(享年二十四)がクリスマスに過労自殺して四年。今日は産業医としての活動を報告する。

 産業医は企業などと契約し、従業員の健康管理などを指導助言する医師。専門は何科でも構わないが、公衆衛生の知識が必要で、五十人以上が働く企業には選任する義務がある。電通自殺事件と同じ年からストレスチェックの実施も義務付けられ、メンタルヘルス担当の私は出番が増えた。

 自動車部品会社勤務の二十代独身男性。入社後一年半でうつ状態となり休職した。復職判定の面談で「チームリーダーからの叱責がつらかった」とこぼした。二十四時間戦えるかと問うスパルタ式指導は平成生まれには耐え難く、異動を試みたが、結局退職となった。同じ上司の元で働く別の若手社員も心療内科を受診中だ。

 パワハラや働き過ぎとは別の理由で悩む独身社員も。三十代男性は職場の女性からの求婚を断り、なのに彼女が別の同僚と結婚すると一気に落ち込み、うつ状態で休職した。二十代男性は原因不明の発熱が続き心療内科へ。ところが、オンラインゲームで出会った女性と結婚すると、熱は下がった。

 クリスマスをひとりぼっちで過ごす「クリぼっち」。孤独の極みで苦しんだだろう高橋さんのような悲劇を繰り返さぬために存在するのが、産業医だ。(心療内科医 小出将則)

 

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