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【元記者の心身カルテ27】頑張り屋に多い拒食症

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 食欲の秋。今回と次回は心身症の代表、摂食障害について。

 肥満への恐怖と拒食、その反動からくる過食が症状の中心。やせた体を鏡で見ても「まだ二の腕が太い」などと、ありのままの自分を受け入れられずに否定する心理が働く。背景にはやせ礼賛社会のひずみや、他人の評価を気にし過ぎる性格がある。女性に多いが、原因はかつて指摘された母子関係だけとは限らず、遺伝も絡んだ心と体の病気と考えられている。

 水泳で県大会優勝の経験がある三十代女性。心理学を学んだ大学時代に拒食となり、体重が二〇キロ台まで減少。入院治療などを続けたが十年過ぎても完治せず、母の勧めで昨年、当院を受診した。発病のきっかけは「大学で周りの子に負けたくないと頑張りすぎた」。

 過食や自己嘔吐(おうと)、下剤乱用はなく、神経性やせ症(拒食症)と診断した。きまじめで完璧主義と、拒食症では典型的な性格。生活日記を通して信頼関係を築いた。臨床心理士のカウンセリング、食欲の出る漢方と総動員の治療の末、体重は十キロ増えた。「まだ炭水化物には抵抗がある」と言うが、声につやが出て、婚活パーティーに参加できるほど元気になった。

 摂食障害で妹カレンが亡くなったカーペンターズの歌「イエスタデイ・ワンス・モア」のように、もう一度泳ごう。女性は目標に向かっている。 (心療内科医 小出将則)

 

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