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【元記者の心身カルテ24】体動かし心の病治す

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 スポーツの秋。今日は心の病を運動で治す話。

 管理職昇進後、うつ病になった四十代の男性会社員。三カ月の自宅療養と抗うつ薬である程度回復したが、午前中は意欲が出ない。そこでウオーキングをするよう指導すると三カ月後、日焼けした顔で「旅行に行けました」。復職後も、早朝一時間の散歩を続ける。

 一方、休職を繰り返した元公務員の五十代男性。二十代から文字を書く手が震える「書痙(しょけい)」にかかり、仕事に支障が出てうつ状態になった。もともとはスポーツ青年だったが、多忙な仕事に転勤が重なった。運動をやめてから症状が悪化。意欲が戻らぬまま、定年前に退職した。

 心の病の治療に運動療法が有効との研究データがそろってきた。生活や運動で体を動かす量が多く、活動内容も強いほど、うつ症状の発生率は低い。テレビ視聴時間が長いと、うつ病のリスクが高まるとの報告も。動物実験では、記憶や学習に関わる脳内物質BDNFが運動で増え、うつ病が改善するのではと注目を集めている。

 当院の患者で運動量最多の五十歳男性。肥満解消に走り始め、今はマラソン大会の常連だ。この夏は富士登山競走で完走した。「走るのをサボると気分が沈み、再開したら気分が戻る」と男性。まさに心と体は一体と考える「心身一如」の世界だ。 (心療内科医)

 

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