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【元記者の心身カルテ23】 ペットと生きる患者たち

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 四日は「世界動物の日」。ペットとともに生きる患者たちの姿を紹介する。

 猫三十匹を飼っていた五十代女性。家が汚れるから何とかしろと長男に迫られ、三男からは猫を捨てないよう懇願された。悩んだ末、知人に託すなどして三匹を残した。離婚を二度経験。「その分、猫ちゃんと別れるのはつらい」と女性。子ども同然の三匹は立て続けに死んだ。動物霊園で手厚く弔い、深い悲しみを癒やした。

 独身の四十代女性は一人娘で両親は他界。犬だけが家族だ。幼少時から犬を飼い、父は犬の散歩中に倒れた。就職後は犬を飼う余裕がなかった。結局、体調を崩して退職。後に母の介護でうつ状態になった際、再び犬を飼い始めて回復した。「母は亡くなったけれど犬のためと思うと力が出る」

 四十代男性は両親と三人暮らし。小学六年の時、宿題を忘れ、担任に「連帯責任」と全員正座させられ人間不信に。家業が青果店で忙しく、小鳥の飼育で寂しさを紛らわせてきた。最近、オカメインコのオスが十四歳で死んだ。つがいのメスについて「寿命の三十歳まで責任を持たないと」と話す。

 三人に共通するのは人との交流が苦手で、代わりに動物を大切にしようとしたことだ。古代から人と共存してきたペット動物。本当に共存すべきなのは人間同士かもしれない。 (心療内科医 小出将則)

 

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