トップ > 特集・連載 > 医療 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

医療

ライブ=生きる喜び 難病と闘う港区の太田さん 9月8日公演

 先天的な代謝異常の難病と闘う重度障害者、太田佑弥さん(25)=名古屋市港区=を主役に据えた「ゆーや’sバンド」が九月八日、同区港楽の港図書館で、初めての一般向けライブを行う。佑弥さんは寝たきりで会話もできないが、歌は大好き。出演するのは、佑弥さんの在宅支援に携わる訪問看護師らと母親の美穂さん(48)だ。生きる喜びを音楽に託す。(安藤明夫)

大好きな歌 看護師らと

 ライブは、題して「難病とともに生きる−笑顔を絶やさない人生」。人気グループ「ゆず」の「栄光の架橋」、「雨のち晴レルヤ」の二曲を演奏する。佑弥さんはベッドに横になり、マイクや笛を口に当ててもらって参加する。

美穂さん(右)の声掛けに笑みを浮かべる太田佑弥さん=名古屋市港区の自宅で

写真

 佑弥さんは小学四年の時に、副腎白質ジストロフィー(ALD)を発症。主に男性がかかり、中枢神経や副腎に異常を起こす難病で、割合は二万〜三万人に一人。佑弥さんは唯一の治療法である骨髄移植手術を受けたが、次第に歩けなくなって失明、言葉も発しにくくなった。二〇〇九年には重い発作を起こし、意識不明の状態に陥った。

今年7月、福祉関係者を対象に名古屋市港区で開かれたライブ

写真

 三カ月後。美穂さんが、「栄光の架橋」のCDを流しながら、佑弥さんの体を拭いていた時だ。突然、にっこりほほ笑んだ。「看護師さんと手を取り合って泣きました」と美穂さん。その日から、佑弥さんは歌に合わせて声を上げ、笑みを浮かべるようになった。

 美穂さんは一昨年、「ALDを知ってもらうためにも音楽活動をできないか」と、バンド経験のある訪問看護師、尾畑翔太さん(31)に相談。尾畑さんは「笛で音を出すなどすれば呼吸のリハビリにもなる」と、佑弥さんの支援に関わった人たちに参加を呼び掛けた。

 尾畑さんが歌とギターのほか、言語聴覚士や相談支援専門員ら総勢八人が集まり、ピアノやフルート、ウクレレなどを担当。美穂さんもギターで加わる。

 昨年から月に一度、自宅で二時間の練習を重ねてきた。「アー、ウー」。佑弥さんが曲に合わせて歌う。区内で福祉関係者の前で披露したことはあるが、一般向けは今回が初めて。体調には波があるため、当日、どのぐらい演奏に加われるかは分からない。ただ、「メンバーはみんな、彼の笑顔が見たくて集まったんです」と尾畑さん。美穂さんは「音楽は、残された機能を生かして社会に参加する絶好の機会」と喜んでいる。

 ライブは八日午後二時から、無料。美穂さんと支援者らによる病気と佑弥さんへのケアについてのトークもある。予約不要。問い合わせは港図書館=電052(651)9249。

 

この記事を印刷する

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索