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【元記者の心身カルテ18】 学校がすべてじゃない

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 八月も残りわずか。統計では九月にかけて、十八歳以下の自殺者数が年間のピークを迎える。夏休みから学校生活に戻るのに行き詰まりを感じる子どもたちの悲しい現実が、数字に表れている。

 夏の終わり、当院にも多くの不登校生が通院する。理由はゲームでの夜更かしから腹痛、立ちくらみなどの心身症、いじめや虐待までさまざま。子どもに対応する先生もまた、病んでいる。

 公立高校の二十代男性教師。不眠を訴えて受診した。担任する生徒が学校を辞めたいのに、親は同意せず、毎日面談しても平行線のまま。「別の生徒は家出して捜索騒ぎになって。家計が苦しくアルバイトで出てこない子や、母親からネグレクトされて自殺未遂した子の対応もある。校長は口を開けば『ミスするな』のひと言」と憔悴(しょうすい)しきった表情だ。

 二〇一七年度の小中学生の不登校は、十四万四千人で過去最多。元教師で、フリースクール開設者の奥地圭子さんは近著「明るい不登校」で、学校への復帰を前提とする施策が失敗だったと指摘。その流れが変わり、今は超党派議員が校外での学びに好意を示す歴史的転換点だと分析する。

 学校の役割が問い直される時代。面談が平行線の生徒に、男性教師は伝えたという。「学校、来なくてもいいよ。元気なら」 (心療内科医 小出将則)

 

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