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片頭痛防ぐ簡単体操 首の筋肉刺激 痛み信号でにくく

 ストレスや女性の生理、天候の変化などを引き金に起こる片頭痛。国内の患者は約1000万人と推計される。6月11日付健康面のコラムで、埼玉国際頭痛センター長の坂井文彦さん(76)が考案した予防体操に触れたところ、「もっと詳しく知りたい」という声が多く寄せられた。坂井さんを訪ねて、方法を教わった。(小中寿美)

坂井文彦さん

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 坂井さんは国際頭痛学会の理事長などを歴任してきた頭痛治療の世界的権威。「片頭痛予防体操」は、頭と首を支えるインナーマッスル(体の深い位置にある筋肉)をストレッチすることで、片頭痛の慢性化を防ぐ。

 まずは足を肩幅に開いて立つ。ひじを曲げて胸の前まで水平に持ち上げたら、肩を左右交互に半円ずつ回転させる。「顔は正面を向いたまま、背骨を軸にしてリズミカルに」。肩を少し後ろに引っ張るようにするとやりやすい。体の軸さえぶれなければ、腰が一緒に回っても問題ない。座った状態でやってもいいが、体の軸が動かないよう車輪の付いていないいすを使うことが条件。これを毎日二分間、忘れずに続けよう。

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痛む時はやらない

 注意したいのは、片頭痛の最中はやらないこと。ズキズキと脈打つような痛みが特徴の片頭痛は、脳の血管が拡張し、炎症が広がることで起きる。「体を動かすと血行が良くなる分、血管がさらに広がって痛みがひどくなる」

 坂井さんが体操を考案したのは約十年前、片頭痛の患者を診察する中で、指で押すと鋭く痛む「圧痛点」があることに気付いたのがきっかけだ。場所は、首の後ろの生え際から指二本ほど下の頸椎(けいつい)の横。片頭痛に圧痛点があることは、それまで知られていなかった。

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 坂井さんによると、片頭痛を繰り返す人は、脳が痛みを記憶。記憶をためる引き出しができ、頭痛がない時もそこから痛みの信号が出やすくなる。圧痛点は、信号が神経を通じて体の表面まで伝わった場所だ。首のインナーマッスルを伸ばして刺激を与えると、それが神経を介して脳へ。刺激が、痛みの伝わる神経を独占することで、痛みの信号が伝わりにくくなる−というのが、坂井さんの考えだ。

 体操後に圧痛点を押すと痛みが消えたり減ったりしている。坂井さんが三百人以上の患者を分析したところ、慢性患者の84%に圧痛点があり、このうち76%は体操で片頭痛の痛みが軽減。結果は八年前の国際頭痛学会で報告した。

「緊張型」の体操も

 同じ慢性頭痛でも、首や肩の凝り、ストレスから血行が悪くなり、筋肉に疲労物質や痛み物質がたまって起きるのが緊張型頭痛だ。圧痛点は「押されるとイタ気持ちいいところ」。片頭痛と違い、体を動かして血行を良くした方が、痛みは軽くなる。

 緊張型の痛みを解消する体操もある。「頭痛の最中は痛みの緩和、頭痛がない時は予防になる」と坂井さん。肩を中心に、体の横に輪を描くように両ひじを大きく回す。後ろに計十回、前に計十回で、約一分間、毎日やるのが大事だ。

 坂井さんによると、片頭痛と緊張型頭痛が混在する患者も増加。その場合は、計三分間、両方の体操を日課にするよう勧めている。

二つの体操は動画で見られます。

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